阪神淡路大震災で被災した「沢の鶴」を28年間熟成 やわらかな味と長い余韻

20230117現外

【神戸経済ニュース】「SAKE HUNDRED(サケハンドレッド)」ブランドで日本酒を展開するClear(クリア・東京都渋谷区)は、1995年に発生した阪神淡路大震災で製造中に被災した後、酒蔵で保存するうちに熟成した日本酒「現外(げんがい)」(写真左)を数量限定で24日に発売する。製造から1年以内に販売する通常の日本酒にはない、複雑な香り、やわらかな食感、長い余韻(よいん)が特徴だ。

 「現外」は1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災で、醸造設備も被災した沢の鶴(神戸市灘区)の日本酒を保存したものだ。ただ、この年に製造した日本酒は、設備の破損によって搾る前の「もろみ」と呼ばれる工程ができなかった。その前の「酒母造り」の段階で、やむなく搾ることにした結果、「とても酸味が強く、どうやって売ったらいいのか分からない、といった状態になった」と、沢の鶴の西向賞雄取締役・総杜氏代行(写真右)が振り返る。

 その後について西向氏は「毎年味見をして、酸味の強さを確認するばかりだったが、大きな変化があったのは22年が経過したとき」だと明かす。熟成が進んだことで、独特の味や香りを獲得。これを機にClearと連携し、「24年物」の熟成酒として現外を最初に販売したの2019年だった。これ以来、1年ずつ熟成を重ねて毎年数百本ずつ発売。今年も販売本数は数百本の数量限定になる見通しだ。

 1本は500ミリリットル。価格は24万2000円(税込み、送料別)とした。24日午後6時からSAKE HUNDREDのホームページ(https://jp.sake100.com/products/gengai)から購入できるようになる。同じ方法で日本酒を造ることはないため、今年の販売を終えると残りは3000〜4000本の分量になる。そのうえ今後の熟成で、酒がどのように変化するかは未知数とあって、希少性を指摘する声も出そうだ。

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