神戸市・NTTドコモ・理研、市街地「デジタルツイン」防災で活用 富岳を投入

20220329富岳

【神戸経済ニュース】神戸市、NTT(9432)傘下のNTTドコモ、理化学研究所の3者は、理研の計算科学研究センター(神戸市中央区)に設置したスーパーコンピューター「富岳」(写真=資料)を活用した防災や都市計画に関するシミュレーションの取り組みで連携したと17日に発表した。仮想空間に神戸市の市街地と同じ環境を再現する「デジタルツイン」を構築し、さまざまなシミュレーションを実施する。今年度からの取り組みで、まずは多くの人が避難する際の群衆行動などを調査している。

 神戸市の新港突堤周辺では2025年に1万人を収容する規模のアリーナが建設されるなど、平日・週末を問わず1万人を超す人が訪れたり働いたりするようになる見込み。こうした状況で災害が発生した場合、三宮駅方面に向けて多くの人が一斉に移動する可能性が高い。このような場合、群衆行動を制御する必要があるのかなどを検討するうえで、まず何もしなければ群衆がどのように動くのかをシミュレーションするのが今年度の取り組みという。

 ここまでNTTドコモが保有するデータをもとに、実際の歩道や道路の幅のデータや、公共交通機関の乗降データなどを追加することで、混雑が発生する場所を示すための準備を整えたという。加えて富岳には、神戸市の市街地を再現したデジタルツインの構築も終えた。今後シミュレーションの結果を得たうえで、今後は災害時の帰宅困難者の誘導方針や、多くの人が一斉に動き出すのを抑制するための広報など、具体的な施策への取り込みをめざす。

 群衆制御の手法などが確立できた場合、神戸発の防災モデルとして他地域への展開も可能になる。加えて神戸市の都市計画や、防災計画のあり方にも影響するとみられる。神戸市、NTTドコモ、理研の3者は23年度以降も取り組みを継続することで、さまざまなシミュレーションから防災に関する施策の根拠を得たい考えだ。

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