神戸製鋼、工場向け「水素供給システム」で実証実験 来春から高砂製作所で

20220519神戸鋼水素供給
【神戸経済ニュース】神戸製鋼所は19日、2050年に二酸化炭素(CO2)排出量の実質ゼロをめざす一環で、燃焼してもCO2を排出しない水素ガスを工場に供給するシステムの実証実験を、23年3月ごろから同社の高砂製作所(高砂市)で実施すると発表した。再生エネルギーを使って工場内で作った水素と、外部から購入する液化水素の両方を使う「ハイブリッド型」にするのが特徴だ。同日開催した中期経営計画の進捗説明会で、山口貢社長が発表した。(図はシステムの概念=神戸製鋼提供)

 山口社長は「水素の利活用は段階的に拡大するとみられるが、安価で大量のグリーン水素が流通するまでは、必要な水素も少量ということで、その水素をどのように作るかが水素導入の鍵になる」と指摘。このため水素を使う現場で、水素を作るシステムを構築するのがねらい。開発中の「液化水素の気化器」、神鋼環境ソリューションの「水電解式水素発生装置(HHOG)」、液化水素を気化するかHHOGで製造するかなどを制御する「運転マネジメント」の3つの製品・技術で構成する。

 HHOGは太陽光で発電した電力で作動することで、製造する水素は再生可能エネルギーで作ったグリーン水素になる。ただ外部から購入する液体水素も併用することで、「コストのミニマイズ(最小化)に加え、再生可能エネルギー特有の供給不安定も解消できる」(山口氏)と説明した。

 高砂製作所は、機械事業部門や素形材事業部門の複数の事業部門にわたる中小規模の事業が混在しているという。このため「ボイラーや加熱炉もたくさんあり、水素を熱エネルギーとして利用したり、フォークリフト等の動力源として利用したりも可能」という。このため「われわれのシステムを実証する場としては最適か」との見方を山口氏は示した。システム実証の一部は国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採用された。山口氏は「国も関心を寄せていることかと理解している」とも話していた。

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