神戸製鋼など、製鉄に水素活用でNEDO基金採用 CO2を3割削減

【神戸経済ニュース】日本製鉄(5401)、JFEホールディングス(5411)傘下のJFEスチール、神戸製鋼所(5406)に、金属系材料研究開発センター(JRCM、東京都港区)は、水素を使った新たな製鉄法の開発で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「グリーンイノベーション基金」に採用を受けたと発表した。2029年度までの9年間に1935億円と、事業費全体の約44%の支援を受ける。新たな製鉄法の開発で、二酸化炭素(CO2)排出量が多い業種として知られる製鉄会社が排出するCO2を削減する。

 高炉では、石炭から作るコークスの代わりに水素を使って鉄鉱石から酸素を取り除き、鉄を取り出す技術を開発する。中規模試験高炉(500立方メートル級)での実証実験で、30年までにCO2排出量を30%削減、さらにバイオマスや還元鉄など、あらゆる低炭素化技術を組み合わせてCO2排出量を半減させる。水素だけで低品位の鉄鉱石から酸素を除き、鉄を取り出す技術の開発や、電炉では鉄鋼原料「還元鉄」から水素を使って不純物を取り除く技術の開発もめざす。

 いずれも日本製鉄が幹事を務めて実施する。「グリーンイノベーション基金」は20年12月に経済産業省などが作成した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」に基づいて組成した。約2兆円の規模で、政策効果が大きく、社会実装までに長期間の継続的な支援が必要な領域を重点的に資金を投入することを決めている。エネルギー関連産業、輸送・製造関連産業、家庭・オフィス関連産業のうち14分野を支援対象としている。

▽関連記事
関連記事

広告

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

広告

神戸経済ニュース twitter

広告

神戸経済ニュースについて

神戸経済ニュース

Author:神戸経済ニュース
「神戸を知ると世界が分かる」を合い言葉に、神戸の景気・企業・金融・経済政策などにまつわる話題を随時お伝えします。すべての記事がオリジナルです。

詳しくはこちら。

広告