神戸市、マンション「管理状況」での値付け促す 全国初の情報開示制度で

 神戸市は分譲マンションの管理状況についての届け出制度を3月から始めると発表した。6戸以上のマンションを対象に、管理組合がマンションの管理状況(38項目)を3年ごとに届け出る。マンションに適正な管理を促がすのがねらい。さらに神戸市は管理組合の同意を得たうえで、届け出があった管理状況を専用ホームページ上に公開する、全国初の取り組みも4月に開始。中古マンションの購入時に参考にできるようにして、管理状況を織り込んだマンションの値付けを可能にする。

 神戸市では建築後35年を超え、老朽化が懸念されるマンションが全体の約3割を占める。大規模に住宅を開発した六甲アイランドも街開きから30年が経過し、今後5年間で築35年超のマンションは急速に増加する見通しだ。一方で、一部のマンションでは修繕積立金不足や管理組合の担い手不足などが指摘されている。今後、タワーマンションなど大規模なマンションで不適切な管理が広がれば、周辺環境の悪化などにつながると警戒する声もある。

 届け出があった管理状況を情報開示するのは、このためだ。同じ築年数でも管理状況が良い中古マンションの方が快適に暮らせるため、本来は高い価格が付くはず。だが、ほとんど「駅から〜分」だけを基準に価格が決まるのが現状だ。神戸市では管理状況を可視化することで、状態の良し悪しを中古マンション価格に織り込める環境を支援。管理組合や入居者の意識が中古マンション市場に向かいやすくすることで、適正なマンション管理の動機付けにしたい考えだ。

 同時にマンション管理に関する相談体制も拡充する。マンション管理の相談を受け付ける専門のマンション管理士を新たに配置。マンション管理相談専用の電話・ファクシミリ窓口を開設。今回導入する届け出制度に関する相談も同時に受け付ける予定だ。管理組合からの多様な相談に円滑に対応する。相談専用窓口の電話番号は078-647-9955(午前10時〜午後5時、水曜・日曜・祝日を除く)。

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