ペットボトルのキャップで作った神戸市指定ごみ袋 5日から市内で発売

20210203ごみ袋包装

 神戸市と、プラスチックなどの代替素材を開発する素材ベンチャーのTBM(東京都中央区)は2日、住民から集めたペットボトルのキャップなどを再生して作った素材「CirvuleX(サーキュレックス)」を使った、神戸市指定の家庭用ごみ袋を5日に発売すると発表した。自治体指定のごみ袋に、ペットボトルのキャップを原料に含む材料を採用したのは国内で初めて。石油由来のプラスチックで作る通常のごみ袋に比べて、製造から収集後に焼却するまでのトータルで排出する二酸化炭素(CO2)の量を約半分に抑えることができる。

 スタートアップと共同で行政課題の解決に向けた実証実験を展開する「Unban Innovation Kobe(アーバンイノベーション神戸)」の一環だ。神戸市環境局が「プラスチックごみ削減」を課題に提示したところ、TBMが応募。まず5万枚(10枚入り×5000セット)を販売する。サイズは45リットル。色、厚み、強度はいずれも通常の指定ごみ袋と同等だ。素材の違いでやや手触りなど質感が異なり、柔軟性があるのが特徴。袋のデザインは通常版と同じだが、パッケージのデザインには神戸市在住のイラストレーター有村綾さんを起用した(図=神戸市提供)。

 材料は使用済みペットボトルのキャップと、包装材などに使われた使用済みのストレッチフィルムだ。ペットボトルのキャップは市内のスーパーなどを通じて回収。ストレッチフィルムは市内の工場から買い入れた。キャップが30%、ストレッチフィルムが70%の比率で含まれる。袋の製造には、ごみ袋メーカーで国内最大手のジャパックス(東京都台東区)が協力した。ごみ袋1枚に使うキャップは3個。5万枚を製造するために15万個のキャップを集める必要があったが、この課題はクリアした。

 販売価格は税別で138円。もう1つの課題は、価格が通常の指定ごみ袋よりも2〜3割ほど高くなることだ。CO2削減というメリットに着目し、住民が新素材の指定ごみ袋の購入に動くのであれば、実証実験の終了後も本格的に導入する可能性が高まる見込みという。神戸市内のダイエー、光洋、コープこうべの合計44店舗で販売する。販売期間は3月4日まで。

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