三宮駅前の地価、全国で8カ所の3%超下落 国交省LOOKリポート
- 2020/08/24
- 15:06
国土交通省が21日に発表した「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKリポート)」によると、神戸市中央区「三宮駅前」の地価は4〜7月に3〜6%下落した。調査した全国100地点の中でも、3%超下落したのは8カ所だけ。「三宮駅前」は前回調査(1〜4月)まで上昇傾向が続いていたが、全国でも有数の下落率になったといえる。新型コロナウイルスの影響で訪日客の需要が途絶え、大阪市中心部の地価が下落した影響を受けたもよう。
地価LOOKリポートは、主要都市の100地区について不動産鑑定士が土地鑑定に準じる方法で評価した結果をまとめたもの。年に4回発表されている。2012年の第2回(4〜7月)調査からは前回調査まで100地点で3%超の地価下落はゼロが続いていた。今回は3%超の下落を8年ぶりに記録したほか、0〜3%の下落も30カ所と、前回の4カ所から大幅に増加した。新型コロナの影響で全国的にみても、地価の上昇傾向に歯止めがかかった様子が鮮明になった。
3%超下落した8カ所は三宮駅前のほか歌舞伎町(東京都新宿区)、上野(東京都台東区)、金沢駅周辺(金沢市)、栄南(名古屋市中区)、茶屋町(大阪市北区)、心斎橋(大阪市中央区)、なんば(大阪市中央区)と、訪日客が途絶えた影響を受けた大阪市内が3カ所を占める。ここ数年の神戸都心の地下は大阪市内の商業地に対する出遅れ感の解消が意識されていただけに、大阪市の商業地の地価の値動きには敏感に反応した形だ。
地下LOOKリポートでは、全地点について不動産鑑定士のコメントを掲載。三宮駅前については「当期のオフィス賃料および取引利回りは横ばいに転じた」とみている。「(4〜5月の)緊急事態宣言に伴う外出自主強制や休業要請等により、東筑の店舗売上は大幅に悪化し、賃料の一時的な減額要請や支払猶予に応じるケースとともに、一部では退去みられた」と指摘。今後については緊急事態宣言の解除で「下落幅が一旦縮小し、やや下落で推移すると予想される」としながらも、新型コロナの感染再拡大など不透明感から、地価の「回復にはもうしばらく時間を要する」と予想している。
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