神戸・三宮の路線価、7年連続上昇の576万円 オフィス需給が引き締まり

 国税庁は1日、相続税や贈与税などの算定基準にする路線価の2020年分(1月1日現在)を発表した。神戸市の最高地点は中央区三宮町1丁目(三宮センター街)で、前年比86万円上昇の1平方メートルあたり576万円だった。同地点の上昇は7年連続。値上がり率は17.6%と前年の同地点(25.0%値上がり)を下回ったが、神戸の都心部で大幅な地価上昇が継続した。

 景気回復が続いたことでオフィス需要が高水準で推移したうえ、神戸市役所2・3号館の建て替えに伴い、同庁舎に入居していた神戸市の部局が周辺オフィスに移転。オフィス需要が引き締まっていることなどが背景として指摘されている。このため民間企業が使用するオフィスの需要が逼迫しやすく、賃料相場の上昇による土地の収益性改善によって地価が上昇する流れが続いているもよう。

 訪日外国人観光客の増加を背景に、先行して地価が上昇した大阪・ミナミの商業地などでは昨年より値上がり率が拡大。地価上昇の加速が目立った。こうした動きに神戸・三宮の地価は必ずしも追随しなかった形だ。このため新型コロナウイルスの感染拡大を受けて調査時点に比べると地価は下落した可能性が高いが、大阪・京都に比べ神戸の地価は緩やかな下落にとどまった可能性も高い。

 路線価とは、主要な道路に面する土地の1月1日時点の1平方メートル当たりの価格のこと。国税庁が毎年7月に公表する。「公示地価」「基準地価(都道府県地価調査)」と並んで主要な地価の指標になっている。ただ新型コロナの影響で、今年の路線価が実勢とかけ離れたと国税庁が判断した場合、路線価を修正する可能性もあるようだ。

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