(動画)AIアナウンサー、ドローンから多言語で避難呼びかけ 国民保護共同訓練で


 内閣官房、消防庁、兵庫県、神戸市の4者が主催して17日に開催した2018年度の「兵庫県国民保護共同訓練」では、メーン会場のノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)付近で、ドローン(小型無人機)から人工知能を活用した自動読み上げ機能(AIアナウンサー)が多言語で避難を呼びかける実証実験を実施した。神戸市営地下鉄の御崎公園駅で不審物が見つかった想定で周辺住民に避難を呼びかけたが、ドローンの飛行音が意外に大きく、もっと大きな音量で呼びかける必要があることが分かった。

 神戸市は、起業家支援を目的に行政課題をスタートアップ(創業まもない会社など)と共同で行政の課題を解決する「Urban Innovation KOBE(アーバンイノベーション神戸)」の一環で、災害時の多言語発信に取り組むSpectee(スペクティ、東京都新宿区)のAIアナウンサー「荒木ゆい」を起用。AIアナウンサーを活用することで、パソコンで避難を呼びかける文章を入力すれば、人が読み上げて録音することなく音声に転換できるうえ、自動翻訳によって日本語以外でも呼びかける。このため避難を求める住民らに、正しく速く、状況を伝えられる公算だ。

 もっとも、この日の実験ではドローンに搭載したアンプ(増幅器)の性能が不足。ドローンのプロペラ音にまぎれ、避難の呼びかけがほとんど聞こえない状態だった。神戸市の鍵本敦危機管理室長は、「ひとまず多言語による避難誘導ができることは確認できた」という。一方で、「音量を大きくするとバッテリーの持続時間などに影響すると考えられるが、工夫の余地があると思う」と話していた。

 兵庫県国民保護共同訓練の全体では、ノエスタで開催されるラグビー・ワールドカップの試合当日に、スタジアムの大型ビジョンが改ざんされたり、南側エントランスがで猛毒の「サリン」が散布されたり、といったテロ事件を想定。海上保安庁や自衛隊、警察、消防のほか医療機関や地域団体など70機関の約1000人が訓練に参加した。

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