生産性の向上、業種でばらつき 兵庫県「ひょうご経済・雇用白書」18年版発行

20180903ひょうご経済・雇用白書

 生産性の向上は大事だが、業種によってばらつきが大きい。特にサービス業では--。兵庫県が9月3日に発表した2018年度の「ひょうご経済・雇用白書」は、喫緊の課題として生産性向上に迫られながら、それが必ずしも順調に進まない県内企業の姿を描いた。IT(情報技術)やAI(人工知能)による効率化ができればよいが、はたして新技術の導入は進むのか。

 人口が減少し、投下する資本も横ばい。経済成長には技術革新を取り込むことによる生産性の向上が欠かせない。業種別では製造業、とりわけ電気機器では足元で生産性が向上し、2000年に比べて「全要素生産性(TFP)」が2倍強にもなった。しかし依然として低迷が目立つのはサービス業だ。17年度の売上高営業利益率は製造業平均が4.8%だったのに対し、非製造業は3.1%にとどまった。

 一方で今回の白書では、県内に本社または主要な事業所を置く企業のアンケート調査の結果も掲載。5000社を対象に調査したところ、1585社から回答があった。このうち約96%が従業員数100人未満の中小零細企業だ。サービス業に親和性が高いとみられるAI・IoT(道具やセンサーなど物のネット接続)・ビッグデータの活用状況を聞くと「分からない」との回答が42%と最も多かった。

 自社の事業はどう活用できるのか、導入を試みたところで取り扱える技術者が見当たらない、というのがAIなどの導入が進まない理由という。若者が東京へ流出し、経営者層が高齢化しているのと関係あるのかは分からない。ただ、AIやIoTという革新的な技術を使いやすくする、もう一段の技術革新が必要なのではないか、といった見方にもつながるかもしれない。

 18年度の「ひょうご経済・雇用白書」はA4版で120ページ。600部作成し、経済雇用団体や支援機関、地域金融機関、市町などに配布する。兵庫県のホームページにも掲載する。

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