スーパーコンピューター「富岳」が2部門で6期連続の世界一 研究DX基盤に

20220329富岳

【神戸経済ニュース】理化学研究所は15日、富士通と共同開発して計算科学研究センター(神戸市中央区)で2021年3月に本格運用を開始したスーパーコンピューター「富岳」(写真=資料)が、およそ半年ごとに発表する世界のスーパーコンピューターのランキングのうち2部門で回連続で首位を獲得したと発表した。理研によるとランキングは米テキサス州のダラスで開催中の高性能計算技術に関する国際会議「SC22」で発表された。

 6期連続で世界トップだったのは、実際のアプリケーションなどでよく利用される計算方法でみた処理速度のランキング「HPCG」と、ビッグデータの分析で重要になる大規模グラフ解析の性能ランキング「Graph500」の2部門。計算速度を競う「TOP500」では2位、人工知能(AI)で主に使用する演算方法でみる性能の指標「HPL-AI」では3位になった。

 富岳は運用開始前の20年6月に、世界で初めて4つのランキングで同時に首位を獲得。その後は21年11月のランキング発表まで3回連続で「4冠」を防衛していた。計算科学研究センターの松岡聡センター長は、今回のランキングについて、ランキングに初登場してから6回目でも依然として上位を維持しており、「幅広い高性能を容易に実現することができることの証(あかし)となっており、その設計思想が正しかったことを表している」とのコメントを発表した。

 富岳としては安定運用期に入った形で、学術分野や産業分野など幅広い分野で一段の活用をめざす。理研は富岳が学術研究DX(デジタル・トランスフォーメーション)の基盤になるとみている。さらに松岡センター長は、富岳の経験から「量子計算などのあらたな計算パラダイム(考え方)との融合や、新たなスパコンの構成法の探求などの、次世代の高性能計算に向けた研究開発を目指していく」としている。

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