日銀神戸支店「持ち直しもコロナ影響」判断を据え置き 国際情勢の影響は限定的

【神戸経済ニュース】日銀神戸支店が7日に発表した管内金融経済概況では、兵庫県の景気の基調判断を据え置き「輸出や生産が牽引するもとで、基調としては持ち直している」としながらも「新型コロナウイルス感染症の影響がみられている」との見方を3カ月連続で示した。半導体不足など供給制約の影響を受けながらも、外需がけん引して生産は緩やかに増加基調。新型コロナウイルスのまん延防止等重点措置が解除されたのを受けて、宿泊施設の稼働率が改善するなど個人消費の一部は持ち直しの動きが出てきた。

 鉄鋼や化学など素材の生産は引き続き好調で、生産設備の操業度は引き続き高水準で推移している。神戸港からの輸出金額は幅広い品目で増加した。給湯器など金属製品は、部品の確保が進み持ち直しの動きになった。半面、電気機械や自動車部品などは、半導体を含む部品の調達が通常よりも厳しい状態が継続しく、引き続き弱含み。ロシア軍によるウクライナ侵攻など国際情勢に不透明感が急浮上したが、景気への影響は現時点で限定的だ。

 7日に記者会見した日銀神戸支店の山崎真人支店長は、「ウクライナ情勢で拍車がかかったエネルギー価格の上昇が、その他の品目の価格にも波及して賃金の上昇を伴う形で物価全体を押し上げるのか、あるいは一時的なものかを見極める必要がある」と指摘。一方で、「物価上昇が家計の消費マインドに、どう影響するのか」に注目していると話した。これらの観点をふまえて、企業物価の動向や、企業の価格設定スタンス、消費者物価への影響や消費行動など「幅広く目配りする必要がある」と話していた。
 
 兵庫県内に本店を置く地方銀行、信用金庫の全店舗で集計した貸出約定平均金利(貸出金利を貸出金残高で加重平均した金利)は2月末時点で1.086%と、1月末の1.088から0.002%低下した。金融機関の貸出残高や預金残高、日銀短観の資金繰りDIなどもあわせてみて、日銀神戸支店では企業の資金繰りについて、引き続き緩和的な環境下で総じて落ち着ているとみている。


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