斎藤兵庫知事「社会の利便性維持しつつ環境や脱炭素」兵庫県、水素社会でシンポ

20240323斎藤兵庫知事

【神戸経済ニュース】兵庫県の斎藤元彦知事(写真中)は22日夕方、水素をエネルギー源として活用する社会(水素社会)に向けた知識の普及や、水素人材育成をめざすシンポジウムに出席し、パネル討論で「社会の利便性を維持しつつ、環境(の保全)や脱炭素も両立する道を探るというのが大きな方向性」と指摘した。さらに「それがSDGs(国連の持続可能な開発目標)であり、水素を使っていくということ」と、改めて基本理念を強調し、大学生や高校生ら会場の参加者らに水素に関心を持つよう促した。

 斎藤知事は「昔はイカナゴという魚がたくさん取れていたし、スキー場にはもっと雪が降っていた」と指摘。直接の因果関係は置くとして、そうした食文化をはじめとした身の回りの変化が気候変動への危機感につながっていると説明した。「いままでのように旅行に行きたいけどCO2(二酸化炭素)をいっぱい出す乗り物だと、地球の温暖化がどんどん進み、究極的には人類の滅亡につながりかねない、といった観点からCO2の発生を抑制する取り組みが水素社会だ」と話していた。

 シンポジウムは「水素社会がやってくる!みんなで考えるシンポジウム」と題して神戸市内で開催。経済産業省・近畿経済産業局の内野薫美氏が国の水素関連施策を紹介。関西電力(9533)水素事業戦略室の宮崎公毅氏とトヨタ自動車(7203)水素ファクトリーの中村匡氏は、先行事例として両者の取り組みをそれぞれ紹介し、基調講演とした。続いて斎藤氏や講演者、シンポジウムの前に神戸市内の水素関連施設を見学した高校生、大学生が出席してパネル討論を実施した。

 パネル討論では学生らが、水素のエネルギー効率や、なぜ発電した電力を水素に変換するのかなどを質問。機器の開発が進み、社会実装をめざす水素エネルギーについて理解を深めようとしていた。会場には観覧車が約110人が集まり、このうち30人程度が神戸大、兵庫県立大の学生と、兵庫県立神戸高、同姫路西高の生徒だった。会場には水素関連の事業を取り組む企業のパネル展示を実施したのに加え、UCC上島珈琲(神戸市中央区)が水素を燃料に焙煎(ばいせん)したコーヒーを振る舞った。

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