斎藤兵庫知事、水素輸送で国家戦略特区の検討も 三菱重・高砂の施設を視察

20230422三菱重水素パーク視察

【神戸経済ニュース】兵庫県の斎藤元彦知事は21日、三菱重工業(7011)が同社の高砂製作所(高砂市)内に整備を進める水素ガスタービン発電を中心とした実証施設「高砂水素パーク」を視察した。視察後に記者団の取材に応じた斎藤知事は、「国家戦略特区の枠組みを使って製造や運搬・輸送などで規制緩和ができるか、研究していきたい」と述べ、水素の活用をめざした民間の取り組みを後押しするために国への働きかけも進めたい意向を改めて示した。

 斎藤氏の質問に応じ、三菱重の田中克則・高砂製作所長らは水素の利用が普及するためには、水素の輸送が最も大きな課題になるとの見通しや、水素ガスを輸送するボンベの圧力は日米で規制基準が異なることなどを説明。三菱重や業界団体は、経産省など関係省庁に規格統一などを要望しているという。このことから斎藤氏は規格統一のために、規制緩和の枠組みである国家戦略特区が活用できるのではないかとの見方を示した。

 斎藤氏は播磨臨海地域のカーボンニュートラルポート(CNP)形成計画をまとめる今夏に向けて、「規制緩和についても検討し、国への要望活動などに生かしていきたい」とも話していた。

 三菱重の高砂水素パークは、天然ガスを燃料にした水素ガスタービンと水素製造設備、水素貯蔵設備で構成する実証施設。水素の製造から発電までを一貫して検証できるのが特徴だ。同社の高砂製作所は国内外の発電所などに供給するガスタービンの製造拠点。大型で水素ガス30%、中小型で水素ガス100%の燃料を使用できるガスタービンの商用化をめざす。このほか水を電気分解して水素を発生させる装置も今夏に試験開始予定だ。(写真左は大型ガスタービンを使った発電実証施設、同右は発電施設を指さす田中所長と斎藤氏)

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