六甲ケーブルで上下分離方式を導入 設備投資は阪神が担当・4月から

20230709六甲ケーブル

【神戸経済ニュース】六甲山の玄関口として多くの観光客が利用するケーブルカー「六甲ケーブル」(写真=資料)は4月1日から、運営会社と施設保有会社を分ける上下分離方式を導入する。現在、六甲ケーブルの施設を保有しながら運行している六甲山観光(神戸市灘区)は、運行・管理に専念。施設保有は阪急阪神ホールディングス(9042)傘下で、六甲山観光の親会社である阪神電気鉄道(大阪市北区)に移管する。1932年(昭和7年)の開業から91年が経過し、老朽化対策のために必要な設備投資を阪神が担当する。

 六甲山観光は昨年12月15日に、施設保有と運行の両方を実施する第1種鉄道事業者の廃止届と、運行・管理に特化する第2種鉄道事業者の許可申請を、国土交通省の近畿運輸局に提出。阪神も同日、六甲ケーブルについて鉄道施設を保有する第3種鉄道事業の許可と線路使用条件の認可などを申請し、近畿運輸局が公表した。近畿運輸局は必要な手続きを実施し、問題がなければ認可する見通し。六甲山観光が阪神に線路使用料を支払って、旅客を輸送するようになる。

 上下分離方式の導入は、定期的な車両の検査中に車体の上部構造を支える「台枠フレーム」の一部で亀(き)裂が見つかり、22年7月以降の通算でおよそ4カ月にわたって運休したことから検討を始め、23年12月8日に方針を公表した。今後は財務面で規模が大きい阪神が設備投資を担当することで、より迅速に修理などに対応し、乗客の安全を確保する。阪神は「六甲ケーブルを主要な事業の1つと位置付け、今後もグループとして注力していくうえで、最善の方法と判断した」(経営企画室)としている。

 六甲ケーブルは六甲ケーブル下駅と六甲山上駅の高低差493.3メートル、道のり約1.7キロメートルをおよそ10分で結ぶ。世界でも珍しい2両編成のケーブルカー2編成で運転する。2022年度に約34万人が利用した。新型コロナウイルスの感染拡大前の乗客は年間50万人を超え、六甲山を訪れる訪日客の利用も増えている。一方で六甲山上バスなど自動車運送事業は、引き続き六甲山観光が施設保有と関連資産の保有と、運行・管理の両方を担当する。

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