60歳以上の新入社員を募集－－。ネスレ日本は60歳以上を対象にした従業員「シニアスペシャリスト採用コース」の募集を開始したと発表した。関連する業務や職種で働いた経験を生かし、同社に長く勤める現役社員とは異なった視点を持つ人材を取り込むのがねらい。従業員として働く人材の年齢層を拡げ、ダイバーシティ（多様性）を高める一環という。

　募集するのは本社の一般事務職、支社の営業職やマーチャンダイザー、工場のエンジニアや製造オペレーターなどと、幅広い職種の人材を採用する計画だ。応募資格は60歳以上であるほか、営業職への応募であれば食品メーカーでの営業経験など、他社での関連した経験が必要になる。工場では物流、品質保証、機械、電気、ボイラーなどの有資格者も求めている。

　高齢化社会で課題である高齢世代の雇用機会創出もねらう。一方で、高齢化によって消費者層の中心的な年齢も今後一段と上がる見通し。消費者の主力層と同じ世代を社内に取り込むことで、より消費者に近い感覚を持ちながら販売戦略などを練ることもできそうだ。

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