天津市の副市長らが神戸訪問、交流の継続を確認 友好都市提携から50年で
- 2023/09/15
- 06:13
【神戸経済ニュース】神戸市との友好都市提携から今年で50年を迎えた中国・天津市の朱鵬副市長を団長とする訪問団が14日、神戸市役所を訪れて神戸市の久元喜造市長に面会した。会談した朱副市長と久元市長は、2019年11月に当時の張国清市長が神戸市を訪れて以来、新型コロナウイルスの影響などで途絶えていた交流行事を再開し、両市の交流を継続することを確認した。訪問団に薛剣(せつ・けん)在大阪総領事も同席した。
あいさつした朱副市長は、神戸市との間で「さらに広い分野での協力関係を結び、協力のレベルをアップして次の50年を迎えたい」と述べ、関係を深めたい意向を表した。そのうえでリーダー層のコミュニケーションや、港湾分野での協力関係、健康医療分野の協力関係をさらに深めることが必要だと強調した。加えて10月には神戸市から小原一徳副市長らが天津市を訪問するが、改めて久元氏も天津市を訪問するよう求めた。
これを受けて久元氏は「リーダー間の交流は行政だけでなく、産業界、大学などアカデミア(学術分野)でも交流を強化することが重要だ」と指摘すると、天津市の訪問団らも大きくうなづいた。作業効率を高めるスマート化や脱炭素など課題を共通する港湾分野と、神戸市の訪問団が18年に天津市でセミナーを開催した医療健康分野での交流は「期待が持てる」と話した。さらに22年に4.8%経済成長、コンテナ取扱個数8%増と成長が続く天津市に「神戸のさまざまな産品を紹介したい」とも語った。
足元で日中政府間の関係が悪化していることに、特に言及はなかった。朱氏と久元氏は会談後に記念品を交換(1枚目の写真)。天津市から神戸市には、石造りの硯(すずり)や友好提携50年の記念切手(2枚目の写真)が贈られた。神戸市は日本酒や写真集を贈ったのに加え、神戸市内のホテルで歓迎会を開催した。このほか神戸市議会からも坊恭寿(やすなが)議長が記念品を朱氏に手渡した。
日本と中国は1972年の「日中共同声明」で国交が正常化。神戸市と天津市は1973年、日中間で初めて友好都市提携を結んだ。中国にとっては初めての海外の都市との都市間交流になったという。
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