神栄、今期営業益36%増に上方修正 訴訟費用で純利益予想は据え置き

20221101神栄

【神戸経済ニュース】商社の神栄(3004)は10月31日、2023年3月期の連結営業利益が前期比36%増の9億8000万円になりそうだと発表した。従来予想の8億5000万円に比べて増益幅が拡大する。冷凍食品を中心とした主力の「食品関連」で、仕入れ価格上昇の販売価格への転嫁が進む。建設機械や各種試験機の輸出など「物資関連」が堅調に推移している。ただ、フイルムコンデンサーに関する米国での訴訟費用を特別損失に計上する見通しのため、純利益は5%増の5億円になる見通しを据え置いた。

 売上高は前期比5%増の395億円を見込む。従来予想の393億円から上方修正し、増収幅が拡大する。「食品関連」では価格転嫁の進展に加え、新型コロナウイルスによる行動制限がなくなったことで、業務用食品に対する外食からの需要が回復するとみる。「物資関連」では新型コロナの影響などで遅れていた、アゼルバイジャンでの水資源インフラに関する調査が今期から稼働したのも、売上高を押し上げる材料になるという。

 米国での訴訟は、フイルムコンデンサーの取引で米国の反トラスト法に違反したとして、神栄などの日系コンデンサーメーカーに損害賠償を求める民事訴訟。神栄は、原告らが主張するような違法行為はなかったとしながらも、裁判が長引くことによる費用や労力を勘案し、和解金の支払いに応じることにしたという。刑事訴追などは受けなかった。23年3月期末に30円配の予定(中間配当なし)も維持した。

 同時に発表した2022年4〜9月期の連結決算は、純利益が前年同期比12%減の2億4100万円だった。特別損失に訴訟関連の損失1億7800万円を計上したことなどが響いた。前期に好調だった「電子関連」のホコリセンサーは需要が一巡した。「物資関連」の収益の伸びなどで、売上高は3%増の192億円、営業利益は8%増の4億3900万円だった。

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