神戸市の商業地が3年ぶり上昇 西区の住宅地は26年ぶり上昇・公示地価

20230322地価公示

【神戸経済ニュース】国土交通省が22日に発表した1月1日時点の公示地価によると、神戸市平均では商業地が3年ぶりに上昇。上昇率は2.0%だった。店舗の集積がある中央区・長田区がそろって3年ぶりの上昇に転じた結果、3年ぶりに9区全区で商業地が値上がりした。新型コロナウイルスによる行動制限がなくなり、店舗需要が回復傾向にある。加えてマンション用地の需要も堅調で、人口の増えている灘区などでは伸びが目立った。住宅地は神戸市平均で1.2%上昇と、2年連続で上昇。工業地は4.6%上昇した。

 商業地は中央区が1.5%上昇、長田区が0.9%の上昇だった。上昇が続く東灘区は2.4%上昇(昨年は1.8%上昇)、灘区は4.3%上昇(同2.2%上昇)と上昇が目立った。商業地には利便性の高さからマンション用地としての需要が根強い。このため古くからの住宅地が多い地区の上昇が加速した形になった。北神急行線の市営化で都心三宮までの運賃が下がった北区の商業地も上昇が続き、2.2%上昇と前年(1.5%上昇)に比べて値上がり率が拡大した。

 神戸市内で最も地価が高かった商業地は12年連続で中央区三宮町1だった。1平方メートルあたり625万円と3年ぶりに上昇に転じた。昨年の612万円から2.1%上昇した。値上がり率が最も大きかったのは、神戸市灘区徳井町4で、前年比5.8%上昇の44万円だった。

 住宅地は引き続き灘区の上昇がけん引。JR摩耶駅前に商業施設や病院が開業し、利便性が高まったのをきっかけに、灘区全体で見直しが進んでいるという。灘区は3.0%上昇(昨年は2.0%上昇)し、東灘区は1.7%上昇(同0.9%上昇)だった。都心地区に比べて割安感があり、神戸市の施設整備などで住環境が改善している西区は1997年以来26年ぶりに上昇に転じ、前年比1.0%上昇。北神急行線の市営化で北区の見直しも進み、0.4%上昇と08年以来15年ぶりにプラスに転じた。北区にはテレワークの普及に伴い郊外を選好する需要もあったという。

 神戸市内で最も価格が高い住宅地は、引き続き東灘区岡本2で、価格は前年比1.0%上昇の1平方メートル当たり59万1000円だった。2位は東灘区郡家2で4.0%上昇の56万7000円と、中央区山本通1で3.1%上昇56万7000円だった。値上がり率が最も大きかったのは灘区烏帽子町2で、6.3%上昇の31万9000円。公表した上位5地点はすべて灘区で占めた。

 工業地はネット通販の活発化などによる倉庫需要の高まりを背景に、上昇が目立っていた。兵庫県内で調査した66地点のうち昨年と調査地点が変わった1地点を除く65地点がすべて上昇した。最も地価が高い工業地は灘区大石南町3で、前年比3.7%上昇の1平方メートルあたり17万円だった。

 公示地価の全国平均では商業地が1.8%(前年は0.4%上昇)、住宅地が1.4%上昇(前年は0.5%上昇)と上昇率が拡大した。

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