神戸・三宮の路線価、2年連続下落 県庁所在地の最高路線価で下落率最大

20211021統計アイコン

【神戸経済ニュース】国税庁は1日、相続税や贈与税などの算定基準にする路線価の2022年分(1月1日現在)を発表した。神戸市の最高地点は中央区三宮町1丁目(三宮センター街)で、前年比30万円下落の1平方メートルあたり490万円だった。同地点の下落は2年連続。値下がり率は5.8%になった。同地点は神戸税務署管内での最高路線価にあたる。全国の県庁所在地にある税務署の最高路線価で比較すると、三宮町1丁目の下落率は全国で最大になった。

 新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけとしたテレワークの普及で、オフィス需要が後退したとの見方から、中心市街地の路線価は軒並み下落している。大阪市の最高路線価は北税務署管内の大阪市北区角田町の御堂筋沿いで、1平方メートルあたり1896万円。前年よりも下落したが、値下がり率は4.0%にとどまった。「うめきた」プロジェクトなど大阪駅周辺の再開発が、今後の地価上昇への期待感を下支えしたとみられる。

 一方で、神戸・三宮は、大阪など他の都市と同様にオフィス需要の増加は見込みづらいとの見方が根強いうえに、1月1日時点ではまだJR三ノ宮駅の新駅ビルや、バスターミナルビル1期の具体的なイメージが発表されていなかった。加えて駅前の旧駅ビルはすでに取り壊されており、先行きの土地需要が見通しづらかった面があるようだ。

 兵庫県全体の路線価は平均値で0.2%下落。2年連続の下落で、下落率は昨年(0.8%)よりも縮小した。中心市街地の路線価が下落する一方、利便性の高い住宅地近辺で上昇。兵庫県内で最も上昇率の大きい最高路線価は芦屋税務署の芦屋市船戸町(JR芦屋駅前)で5.7%上昇の92万円。全国で見ても上昇率18位だった。神戸市内では兵庫税務署の最高路線価である神戸市兵庫区水木通り1丁目(大開通り)が、2.5%上昇の41万円などと上昇した。

 路線価とは、主要な道路に面する土地の1月1日時点の1平方メートル当たりの価格のこと。国税庁が毎年7月に公表する。「公示地価」「基準地価(都道府県地価調査)」と並んで主要な地価の指標になっている。

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