山口モロゾフ社長「カカオ豆の調達が厳しくなりそう」 1年半〜2年分は備蓄も
- 2024/03/16
- 03:53
【神戸経済ニュース】洋菓子大手モロゾフ(2217)の山口信二社長(写真)は15日に開いた2024年1月期決算発表の記者会見で、チョコレート原料の「カカオの調達が、この先、少し厳しくなりそうだ」との見方を示した。カカオ豆は大雨など相次ぐ異常気象の影響で、2年連続の供給不足。需給が逼迫し、価格はこの1年でざっと2倍に上昇した。国際指標であるロンドン先物(第2限月)は過去最高値の1トン5000ポンド台で推移している。山口社長は「円安もあって、入手できる量が厳しい状態だ」という。
モロゾフなど27社が共同出資して原料チョコレートを生産するチョコレート工業協同組合(栃木県日光市)が「今後1年半から2年分ぐらいのカカオをキープ(備蓄)しているので、すぐになくなることはない」という。ただ23年1月期に原材料費は合計およそ3億円増加、24年1月期は約7億円増加しており、今期も約7億円の増加を見込む。前期は増収効果に助けられたが、増加した費用は原材料費だけではないため影響の大きさは気になる。
西アフリカのガーナ産やコートジボワール産のカカオ豆が用途、味覚とも日本向けに適しているとされ、好まれている。その西アフリカでは悪天候による不作に加えて、カカオの木のブラックボッド病の広がりも打撃になった。一方、新型コロナウイルスの影響後退で、欧州のチョコレート需要が急回復していることも、ロンドン市場での取引が多い西アフリカ産カカオ豆の需給を引き締めている。
山口社長は「通常1〜2年ほど先のカカオ豆を先物で手当てする」というが、上値を追うかどうか思案のしどころだ。産地に飛んだ商社の関係者といった市場関係者などからの情報収集を続けるとともに「今秋の収穫がどうなるか注目している」といい、豊作に期待をかける。
▽関連記事
- 関連記事
-
- 白鶴酒造、「神戸ワイン」事業引き継ぎで神戸農政公社と協議開始 販路拡大など (2024/03/16)
- 神戸国際会館「SOL」新装で幅広い世代を意識、緑も配置 17日マルシェ開催 (2024/03/16)
- 山口モロゾフ社長「カカオ豆の調達が厳しくなりそう」 1年半〜2年分は備蓄も (2024/03/16)
- 石光商事、2月の連結売上高は1.9%増 2カ月ぶり前年比増 (2024/03/15)
- 神戸製鋼、鉄粉製品を値上げ 付加価格に加えトン1.5万円・4月出荷分から (2024/03/15)
広告
chevron_left
神戸国際会館「SOL」新装で幅広い世代を意識、緑も配置 17日マルシェ開催 home
モロゾフ、今期純利益21%減に 増収も原材料高などで・前期配当は上振れ
chevron_right