モロゾフがプリンなど減産 卵不足で、山口社長「売れるが供給できず」

20230317山口モロゾフ社長

【神戸経済ニュース】洋菓子大手モロゾフ(2217)の山口信二社長(写真)は16日に大阪市内で開いた2023年1月期決算についての記者会見で、鶏卵を多く使うカスタードプリンのうち小さいサイズ(85グラム)や、レアチーズケーキの生産を休止していると明らかにした。「焼き菓子もある程度、絞り込んでいる」という。高病原性鳥インフルエンザの流行を受けた鶏などの相次ぐ殺処分で、十分な量の鶏卵が確保できず、減産に追い込まれた。

 洋菓子メーカーにとって「卵、牛乳、砂糖、粉(小麦粉)は4大要素」(山口社長)だ。このうちの1つが「値段が高いとか、そういう次元ではなく、もう物がない」とあって、状況は厳しい。新型コロナウイルスの影響で減少した人の流れが回復。大幅な賃上げで個人消費の拡大も期待が高まるなかで「作れば売れるというのに、供給できない」のが現状だ。プリンから果物を多く使うゼリーなどに生産のシフトを進めているが、どれだけ補えるかは未知数だろう。

 鳥インフルの感染は現在も拡大が続いており「どの程度まで鶏卵が不足するかは読みづらい」と山口氏は話す。感染が終息しても、新たな鶏が卵を産むようになるまでには半年近くかかることから、鶏卵の供給が回復するには時間がかかる公算が大きい。鶏卵の供給制約による24年1月期の収益への影響を聞くと、今期予想には「日々情勢が変化するため、現時点であまり織り込めていない」(山岡祥記副社長)という。

 鳥インフルは東南アジアや欧州に加え、北米でも感染が確認されている。ただ鶏の主要な生産国であるブラジルでは、まだ見つかっていない。山口社長は「最近では冷凍した卵を輸入する例もあり、ブラジルからの輸入に何かハードルがあるのなら、機会をとらえて規制緩和をお願いしたり、といったことも必要になるかもしれない」と話していた。

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