(解説)Q&A・「日経平均株価」って何? 225銘柄の動き示す株価の目安

20240119MKTワッペン

【神戸経済ニュース】22日の東京株式市場では日経平均株価が、およそ34年ぶりに過去最高値を更新した。東京市場を代表する株価指数とされるが、そもそも「日経平均株価」とは何か。使い方や特徴なども含めてQ&A形式でまとめた。

Q 日経平均株価とは何ですか。
 日本経済新聞社が東京証券取引所の「プライム」に上場する株式から選定した225銘柄の動きを示す。日本を代表する企業の株価を示す、日本の株式相場の目安だ。採用銘柄は年2回の定期見直しがあるほか、採用銘柄が上場廃止になれば補充がある。「平均」と名乗っているが、過去の銘柄入れ替えなどで不連続修正しているため、株価を単純に合計して225で割っているわけではなく、「株価換算係数」で調整した株価の合計を「日経平均除数」で割って算出する。

20240222日経平均ヒストリカル

Q なぜ注目されているのですか。
 1950年から公表を開始しており、日本で最も古い指数の1つである点が大きい。テレビや新聞が毎日、数値を報道するので東京市場を代表する指数として浸透している。そのうえ日経平均の先物、オプションといった派生商品(デリバティブ)は、旧東証1部の全銘柄を中心に幅広い銘柄で構成する東証株価指数(TOPIX)の派生商品よりも格段に取引高が大きい。このため派生商品の原資産としても注目度が高い。米国のダウ工業株30種平均、英国のFTSE100種総合株価指数と並び、世界3大株価指数と呼ばれることもある。


Q 上昇や下落は終値で比較すると聞いています。
 日経平均株価は原則として、取引時間中に算出する数値はすべて参考値としてあつかい、正式な数値は終値だからだ。これは算出開始当初、採用銘柄の終値を使った算出しかなかったという歴史による。その後1日に6回算出されるようになり、さらに1分間隔、15秒間隔と算出回数が増え、現在は5秒間隔だ。算出回数が1日6回だったころの取引時間中の高値や安値と、現在の取引時間中の数値を単純に比較するのは無理があるだろう。

Q 「日経平均株価」を売買できるのですか。
 34年前のバブル経済だった時代に「証券会社の店頭に日経平均株価を買いに来る客がいた」というのは、証券業界の笑い話だったという。だが1988年に日経平均株価の先物取引が始まったほか、いまでは日経平均株価に連動する投資信託は一般的だ。日経平均先物の10分の1の金額(日経平均株価の100倍の金額)を最低投資金額として売買する「日経225ミニ」は、少額の証拠金を用意すれば取引できることもあり個人投資家の間でも人気だ。日経平均を対象にした差金決済取引(CFD)といった投資商品などもある。日経平均の売買は一般的になったといえる。

Q なぜ225銘柄なのですか。
 戦後に株式の取引所が再開したときの銘柄数とされたこともあるが、東京取引所が戦後に取引を始めた際の銘柄数は495社696銘柄だった。指数の算出者が1970年に東京証券取引所から日本経済新聞社に引き継がれたこともあり、当初のことは分からなくなっているようだ。特に225に大きな意味があるわけではなさそう。

20240222東証正面
東京証券取引所=資料

Q 最高値を更新するのに34年もかかったのは、なぜですか。
 最大の理由は、バブル景気で株式相場が異常に上昇した後、日本経済が低迷したからだ。だが日本を代表する企業を選べば優良銘柄ばかりになりそうなのに34年かかった理由の1つとして、2000年4月に30銘柄を一気に入れ替えたことを挙げる市場関係者は多い。その際の指数の不連続性が指摘されたほか、組み入れた銘柄が当時のIT(情報技術)バブルで上昇した銘柄が多かったこともあり、その後の下落局面で日経平均を押し下げた影響が長引いたという面がある。

Q 日経平均株価は自由に使えるのですか。
 日本経済新聞社が日経平均株価の著作権を主張している。個人投資家が売買の参考にするといった利用は自由だが、日経平均連動型の投資信託を設定するなど、ビジネスで利用するのは同社の許可が必要という。ただ終値については日経が著作権の使用料を徴収しておらず、事実上自由に使える状態になっている。日経は日経平均株価について詳しく情報提供する「日経平均プロフィル」というサイトを開設している。

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