(解説)震災30年、県や他都市と連携で強力に発信を 神戸市予算に4.12億円

20240228震災30年予算

【神戸経済ニュース】神戸市は2024年度予算と23年度2月補正予算の合計で、25年1月で阪神淡路大震災から30年を迎えることに関する取り組みの予算4億1200万円を計上した。「グローバルカンファレンス(仮称)」「レジリエンスセッション(仮称)」といった30年の節目として開催する行事の予算で3億円程度を占めるが、行事の開催には兵庫県や芦屋市や西宮市、震源になった淡路市(旧津名郡北淡町)などと連携することで、より強力な情報発信を検討する必要がありそうだ。

 国内外の都市から震災に関わった人を招いて意見交換する「グローバルカンファレンス」には2000万円を計上した。現時点では詳しい内容は決まっておらず、開催時期・期間も現時点では「25年1月以降」としか決まっていないという。ただ、企画としては兵庫県の斎藤元彦知事がかねて国際防災の日である10月13日に向けて、25年秋に開催したいと表明している「創造的復興サミット」と重なりそうだ。似たような会議を2回、神戸市と兵庫県が別々に開催する事態は避ける必要がある。

 阪神淡路大震災の被災地は神戸市だけではなかった。確かに神戸市内の被害は甚大だったが、単位人口あたりの犠牲者数が最も多かったのは芦屋市だ。震源になった淡路島北部でも被害は大きかった。神戸市内にとどまらず芦屋市や西宮市に加え、旧北淡町や大阪府の北摂地域などの被害も含めた、阪神淡路大震災の全体像をあらためて理解できるような取り組みはぜひ必要だ。そうした形で各自治体が連携し、行事や取り組みを共同で広報してこそ、首都圏や海外に復興の歩みを強力にアピールできるのではないか。

 住所地が神戸市内か神戸市外かを問わず、阪神淡路大震災の犠牲者をともに悼むことができれば、最後の復興事業ともいえる三宮再開発を通じて、圏域の中心地として神戸市の求心力を一段と高めることもできるのではないか。神戸市は25年度の支出枠を確保する債務負担行為として「レジリエンスセッション(仮称)」に3000万円を計上。大容量送水管の整備や防潮鉄扉の遠隔操作など、防災・減災の取り組みや新技術を学び、体験できるイベントを開催する計画だ。これも可能な限り周辺市と共同で開催し、神戸市以外の取り組みが埋もれないようにすることが大切だ。

 阪神淡路大震災のときは兵庫県と神戸市の連携が悪く、「タテ割り行政」への不信感が被災者を中心とした住民の間に広がった記憶もある。となりの大阪府・大阪市がにぎやかだった影響は大きいとはいえ、「2重行政」に住民の関心が集まった結果、兵庫県と神戸市で連携した取り組みが増えたのも過去30年の成果ではなかったか。少子高齢化で医療費が膨らむ中、限られた政策予算をいかに効果的に展開するかは、すべての自治体に共通する課題のはず。神戸市が「グローバル貢献都市」をめざすなら、まず周辺都市に貢献して地歩を固めたい。

(神戸経済ニュース編集長 山本学)

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