兵庫県のグリーン債、発行額を増額 投資表明のべ271団体で国内最多を更新

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【神戸経済ニュース】兵庫県は8日、機関投資家向けに発行する5年物の公募地方債「兵庫県令和5年度第3回公募公債(グリーンボンド・5年)」と、10年物の公募地方債「兵庫県令和5年度第4回公募公債(グリーンボンド・10年)」の発行条件を決めた。資金使途を環境に寄与する事業に限定するグリーンボンド。発行額は各100億円を計画していたが投資家の需要が膨らみ、5年物は110億円、10年物は150億円に増額した。いずれも6月20日に発行。利払い日は6月20日と12月20日を予定する。

 5年債は発行額の3.3倍になる357億円、10年債は同7.0倍の1024億円と、発行額を大幅に上回る需要を集めた。通常の公募による兵庫県債は1億円単位で販売するが、昨年のグリーンボンドと同様に1000万円単位で投資できるようにした。このことで県内自治体や、事業会社のほか、学校や社会福祉協議会といった幅広い投資家層を集めた。

 5年債の投資表明は146団体、10年債は125団体、合計のべ271団体の投資表明。一度のグリーン債の起債での投資表明数としては過去最多を記録した。これまでの最多は昨年9月に起債した兵庫県グリーン債の、のべ218団体だった。

 応募者利回りは5年債が0.210%、10年債が0.661%になった。国債の流通利回りに対する上乗せ幅(スプレッド)は5年債が0.110%、10年債が0.230%だった。4月に兵庫県が条件決定した5年債の0.155%、5月に条件決定した10年債の0.290%からそれぞれ縮小した。グリーン債にしたことなどで人気が高まり、通常の公募地方債に比べて有利な条件で資金調達できた形だ。

 兵庫県が今年度、単独で発行するグリーン債は今回限り。ただ引き続き共同地方債や個人向けでグリーン債での調達計画がある。昨年度はグリーン債での調達を200億円に限ったが、今回債の増額も含めて、有利な条件での資金調達が期待できるグリーン債の発行に前向きな姿勢を見せている。

 今回債の主幹事は5年債が、みずほ証券(事務)、SMBC日興証券、野村証券、東海東京証券。10年債が、みずほ証券(事務)、SMBC日興証券、大和証券、岡三証券だった。両年限とも募集開始は9時50分。主幹事が完売を確認した後、値引き販売がなかったことを確認する「均一価格リリース」の宣言も同時刻で午前10時40分だった。

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