日銀の竜田神戸支店長「中小企業の規模拡大にM&Aは有効」 短観の記者会見で

20240401竜田支店長

【神戸経済ニュース】日銀神戸支店の竜田博之支店長(写真=資料)は1日、全国企業短期経済観測調査(短観、3月調査)の兵庫県分について記者会見し、中小企業が販売や仕入れの価格交渉力を高めることなどを目的に「従業員の雇用を維持しつつ、事業規模の拡大を図る観点から企業同士をマッチングさせるM&A(合併・買収)も有効な手段の1つ」との見方を示した。そのうえで「ここ数年、当地(兵庫県内)の地域金融機関で、M&A業務に積極的に取り組んでいる様子が見てとれる」と指摘した。

 短観(3月調査)で兵庫県では、2023年度の全規模ベースの売上高、経常利益が2008年に起きたリーマン・ショック以降のピークを更新する計画。ただ中小企業に限ると減収減益見通しで、売上高経常利益率も2年連続での低下を見込むなど、業績の回復が遅れている。人手不足も一段と厳しい状況になっている。そうした中では中小企業も「収益力の強化や人手不足の解消に向けて、販売価格の引き上げや処遇面の改善などが必要」になる。

 ただ「事業規模が小さい、個々の企業だけでは価格交渉などが難しい」。そこでM&Aの出番ではないか、と竜田支店長は指摘する。その際に活躍するのは、地元中小企業の状況を熟知した地銀、信金、信組といった地域金融機関というわけだ。足元では後継者不足や事業の維持など「守り」のM&Aが多いようだ。「地域金融機関が有する専門的な知識や、取引先のネットワークなどを活用し、中小企業の経営支援に向けた取り組みがより一層進むことを期待したい」とさまざまな形で、地域経済を活性化する「攻め」にもM&Aを活用するよう促した。

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