コープこうべの前期、剰余金21%減 電力の赤字3億円「値上げお願いする」

20230601コープこうべ

【神戸経済ニュース】生活協同組合のコープこうべ(神戸市東灘区)が1日に発表した2023年3月期の単独決算は、税引き利益に相当する剰余金が前の期に比べ21%減の16億円だった。電気代を中心としたエネルギーコストが増えたほか、人手不足による人件費の上昇で宅配事業の採算が悪化した。店舗の改装など設備投資費用も膨らんだ。子会社からの配当金が増えたが、補えなかった。

 売上高に相当する供給高は1%減の2448億円、経常利益に相当する経常剰余金は38%減の31億円になった。事業別の供給高は店舗事業が微減の1141億円、宅配事業が2%減の1282億円だった。店舗や宅配でコストとして計上する電気代は年間で9億円増えた。宅配事業のうち電力事業の供給高は38億円。電力の調達費用が供給高を上回り、約3億円の赤字になった。

 1日に神戸市内で記者会見した岩山利久・組合長理事は電力事業について「値上げをお願いして、(24年3月期は)損益トントンぐらいを計画している」という。調達している電力は再生可能エネルギー由来が3割、天然ガス火力が7割である点から「やはり環境のことを考えて、こういう電源構成にしている、というのを組合員に伝えていきたい」と強調した。「なかなか拡大は難しいだろう」との展望も示した。

 同時に発表した24年3月期の業績予想は、剰余金が前期比4%増の17億円になる見通し。遊休資産の売却で最終増益を確保する。ただシステム投資38億円を含む設備投資66億円を計画。さらなるエネルギーコストの増加も想定する。供給高は不採算店の閉鎖による減収を、宅配事業の品ぞろえ拡大による増収で補い微増の2450億円、経常剰余金は53%減の14億円を見込む。

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