五百旗頭氏、復興税「産業力ある兵庫でも借金を返すの大変」で提案 防災国大

20221022五百旗頭氏

【神戸経済ニュース】ひょうご震災記念21世紀研究機構の五百旗頭真理事長(元防衛大学校長、写真)は22日に神戸市で開催した第7回防災推進国民大会のハイレベルセッションで基調講演し、同氏が東日本大震災の復興構想会議で議長を務めた際に「復興税」を提案したのは、1995年に発生した阪神淡路大震災の教訓だったと明かした。「兵庫ほど産業力のあるところでも、こんなに借金を返すのが大変だ」と、かねて感じていたという。「神戸のような産業力はどこにもない」東北地方で、自治体に負債を積み上げるのは無理があると考えた。

 五百旗頭氏が「東日本大震災の復興構想会議の議長に任命されたとき(2011年)は、兵庫県に約5900億円の借金が残っていた。いまだに2000億円ほどある」と指摘した。東日本大震災の被害が大きかった東北地方で「神戸がしたように全部地元の自治体の借金でやりなさいということになると、もう生きていけない」と判断した。一方で、政府が「ケチケチと財源がないからってやり出したら、悲惨な被害のうえに、情けない、悲しいお話の山になってしまう」。そこで「全国民をもってサポートすべき、というふうに考えた」という。「はじめは大変しかられたが、幸いにも、それが受け入れられることになった」と述べた。

 五百旗頭氏の専攻は政治外交史。外交・安全保障の専門家だ。だが神戸大教授だった1995年は西宮市甲陽園の自宅で、阪神淡路大震災に被災した。神戸大の学生は39人が死亡し、この中に卒業論文の提出を間近に控えた同氏のゼミ生もいた。「この狭い地域で6434人もの屍累々(しかばねるいるい)というのを見て、たいがい安全保障なんか言っている前に、まず大地のうごめきに対して耐えられる社会にならなくては話にならない」とあって、「宿命的に2つ目のテーマとして防災に対応するようになった」と話していた。

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