白鶴酒造が六甲山「森の世話人」に 住吉川上流の国有林で第1回活動

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【神戸経済ニュース】酒造大手の白鶴酒造(神戸市東灘区)は4日、国土交通省近畿地方整備局の六甲砂防事務所(同)が募集したボランティア活動「森の世話人」としての活動を始めた。活動1回目のこの日は、まず森づくりの担当として同社に割り当てられた住吉川上流の国有林で、六甲砂防事務所の指導を受けながら下草やツル植物など、樹木の育成を妨げる植物を刈り取った。活動を継続することで、多様な動植物が生息する「落葉広葉樹林」を広げ、防災や水資源の確保などにつなげる。

 1995年の阪神淡路大震災とその後の雨などで、六甲山系では山林の崩落や地割れが合計1000カ所以上発生した。これを受けて、六甲砂防事務所と兵庫県は96年3月に「六甲山系グリーンベルト整備基本方針」を作成。土砂災害を防ぎ、豊かな緑のある都市景観を作ることなどをめざした。この整備事業の一環として、住民や近隣に立地する企業などに参加を求めたのが「森の世話人」の活動で、すでに約50の市民団体や企業などが参加する。国有林での年2回以上の山林を育成する活動で、森林育成事業の認知度向上などをめざす。

 白鶴酒造は創業以来、住吉川の河口付近に酒蔵を構える。歴史的に六甲山の水を酒造りに使ってきたうえ、江戸時代中期から大正時代にかけては、住吉川上流域の傾斜を利用した「灘目の水車」で酒米を精米した。現在使用している「酒造専用水道」も取水口は住吉川の上流だ。そこで「『森の世話人』の活動を知ったのをきっかけに、六甲山にも恩返しをしようと集まった有志で活動を始めることにした」(総務人事部の林寿和課長)という。4日の作業は社員10人が参加した。

 白鶴酒造では1年間で3〜4回のペースで活動し、2022年の秋〜冬にかけてコナラやアベマキといった落葉紅葉樹の植樹をめざす。いわゆる「どんぐりの木」が増えるため、イノシシにエサを提供することにもなる見込みだ。鎌やノコギリなど道具は、砂防事務所による貸し出しもある。有志が集まる時間さえあれば、特に新たな費用などを発生させずにできる社会貢献活動ともいえそう。酒造大手では菊正宗酒造(神戸市東灘区)も10月に、「森の世話人」に登録したと発表していた。

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