「外来生物は駆除すべき」って、子供に教えられる? 078KOBE

20211107外来生物

【神戸経済ニュース】クロスメディアイベント「078KOBE」の2日目である7日、「外来生物たちとどう向き合うべきか」について専門家を交えて議論した(写真)。神戸市の久元喜造市長は「外来種が在来種を駆逐することによって、人間も含まれているはずの生態系が変化することを、どう捉えるべきか」、加えて「外来種を駆逐することに、市民の理解が得られるか」と、問題提起した。背景には「かわいい生き物」との受け止め方もある外来種のアライグマによる獣害、殺処分が近年増えていることなどがある。司会は神戸デジタルラボの永吉一郎・代表取締役が務めた。

 世界淡水魚園水族館アクア・トトぎふ(岐阜県各務原市)の池谷幸樹館長は、「(生物の)多様性は劣化しているというのが専門家の間での認識」と指摘する。海外から持ち込まれたアメリカザリガニのような種だけでなく、「人間が移動させたことで、以前は九州だけに生息していた生物が、日本全体に散らばった」といったことも起きていると説明した。以前は滋賀県と岐阜県のみに生息していた淡水魚「ハリヨ」は、持ち込まれた近接種の「イトヨ」との混合種の勢力が拡大。このところハリヨが急速に減少している現状を紹介した。

 神戸市水産体験学習館「さかなの学校」の大鹿達弥校長は、同氏がかつて飼育部長を務めた神戸市立須磨海浜水族園で市内で、捕獲したミシシッピアカミミガメ(別名ミドリガメ)と水族園の入場券を引き換える企画「亀楽園(きらくえん)」を展開した経緯を話した。ペットとして飼いきれなくなったミドリガメは水族館に持ち込まれるが、通常の水族館は受け付けないという。ただ親子3代にわたって飼育したカメを「かわいそうだから預かって、と持ち込まれたら追い返せない」と大鹿校長は話していた。

 神戸動植物環境専門学校(神戸市東灘区)で学び、イルカのトレーナーをめざす磯貝咲希さんは、「外来生物とは何か、どういった影響があるのか、まず知る必要があるのでは」と指摘した。須磨海浜水族園でミドリガメを研究対象にすることを決めた結果、市内のどの水系に多いかなどが明らかになったほか、80年程度生きる長寿な生物であることも分かった。影響が懸念されている割に、知られていないことも多い。「亀楽園」は「外来生物の問題」が存在することを知らせるのに大きな意味があったと、大鹿氏は強調していた。

 会場からは「ため池で繁殖したアメリカザリガニを子供たちに捕獲させた後、その場で踏み殺せいうべきなのか」との質問には、池谷館長が「なぜ駆除するのかを理解できるなら踏み殺すのがいいのかもしれないが、アメリカザリガニはおいしいので、できれば食べる方がよいのでは」と答えていた。人間が食の恵みを中心に求めて手を入れ続けた里山とは、利用の仕方も人間が求める恩恵も変わってきた。そうした中で久元市長は「神戸の自然は好ましい状態なのか、新しい視点で考える必要があると強く感じる」と強調した。
▽関連記事
関連記事

広告

コメント

コメントの投稿

非公開コメント

広告

広告

神戸経済ニュース twitter

神戸経済ニュースについて

神戸経済ニュース

Author:神戸経済ニュース
「神戸を知ると世界が分かる」を合い言葉に、神戸の景気・企業・金融・経済政策などにまつわる話題を随時お伝えします。すべての記事がオリジナルです。

詳しくはこちら。

広告