(解説)神戸市長選 久元氏の最多得票更新、盤石な勝利に欠けるのは…

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▽神戸市長選の開票結果
◎久元喜造氏 43万9749票
・鴇田香織氏 6万9648票
・中川暢三氏 5万9857票
・岡崎史典氏 5万9722票
・酒谷敏生氏 2万0269票
(投票者総数 67万1357人)

【神戸経済ニュース】10月31日に投票した神戸市長選で、神戸市選挙管理委員会は1日午前4時2分に開票を終了したと発表した。現職の久元喜造氏(自民、公明、立民、国民が推薦)が43万9749票を獲得して当選した。投票者総数の65.5%に相当する票数を獲得し、過去最高得票だった前回の市長選での得票数(34万64票)を大幅に更新した。4党の推薦を受けたうえ、維新が独自候補の擁立を見送ったうえこともあり、無党派層の票も獲得したもよう。同氏が現職の市長として担った新型コロナウイルス対策や、三宮再開発を評価した結果ともいえる。

 新型コロナ対策では、神戸市が国内で最も早く重症専用の臨時病棟を開設。ワクチン接種でもいち早く大規模接種会場を開設し、全国的にみても早いペースで接種が進んでいる。昨年夏にかけて1人10万円を支給した「特別定額給付金」でも、支給する早さは近隣の都市に差をつけた。国よりも早く新型コロナウイルスの変異株についてゲノム解析の結果を発表し、国の対応を促す結果にもつながった。久元氏は「オール神戸で戦ってきた」というが、そうした動員を可能にした調整の手腕を評価する声は多い。

 加えて三宮再開発、新港町など臨海部、西神中央や垂水など駅前整備、北神急行の市営化、新長田の県市合同庁舎など、いわば神戸にとっての懸案を、さまざまなアイデアを導入して解決しようとする姿勢を、前向きに受け止める有権者は多かったとみられる。「いまの市長になってから、三宮は目に見えて変わり始めた」という声は、意外に多く聞こえてくる。目に見える変化の最初ともいえ、実証実験で始めた東遊園地の芝生には多くの人が集い、子供たちの遊び場としてもすっかり定着した。このほか手堅い財政運営を評価する声もある。

 盤石な勝利だったといえるが、選挙結果から読み取れることがあるとすれば、神戸市役所の組織運営での課題だろうか。久元氏の次に得票数が多かったのは、鴇田(ときた)香織氏。女性だった。現在の神戸市役所に副市長は3人いるが、女性は1人もいない。教育長も男性。局長級職員も男性が圧倒的に多数派だ。「もっと女性を登用するべき」というメッセージを選挙結果から読み取れるのではないか。市役所改革は久元氏自身も3期目の課題だと認めるところ。誰もが働きやすい、風通しのよい組織こそ生産性を高める、という理想は忘れないでほしい。
(神戸経済ニュース編集長 山本学)

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