三宮再開発 神戸市が「緊急整備地域」拡大を申し出へ、臨海部・県庁など追加
- 2021/10/28
- 04:45
【神戸経済ニュース】神戸市は、都市の再開発を重点的に進めることを政令で指定する地域「都市再生緊急整備地域」の範囲拡大を国に申し出る。現在は2016年に指定を受けた三宮駅周辺と新港突堤基部が都市再生緊急整備地域の範囲だが、これに「兵庫県庁周辺地区」「中突堤周辺地区」「新港突堤西地区」「磯上公園周辺地区」を追加。対象の面積は、現在の約98ヘクタールから2倍以上になる。拡大を申し出る範囲について、27日に開いた有識者や関係者による協議会で了承を得た(図は協議会での神戸市の配布資料より)。22年度の指定をめざす。
ただ地域内では4月に神戸三宮阪急ビルが開業。雲井通のバスターミナルビルもまもなく着工の見通しで、JR三ノ宮駅ビルも構想が発表された。15年に神戸市が定めた三宮周辺の「再整備基本構想」は、三宮駅から半径500メートル程度の範囲を対象に将来像を提示。これを具体化する計画がひとまず出そろったといえる。一方で、兵庫県庁の庁舎建て替えや、新港第2突堤の大規模アリーナ計画など、新たな開発計画が周辺地域に浮上した。
現時点で具体的な計画がない中突堤周辺といった今後再開発が必要とみられる地域でも、現在の三宮再開発と同様の優遇措置などを可能にするのが、神戸市が今回めざす「都市再生緊急整備地域」の拡大だ。より広い範囲で高度な土地利用や、老朽化施設の更新などを促す。「三宮」の範囲を広く見直す動きでもあり、交通機関の連絡改善や、快適な駅前空間づくりといった駅前機能の改善から始まった三宮再開発が、新たな段階に入りつつあることを示したともいえそうだ。
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