コープこうべ、乳牛ふん尿のみでバイオガス発電 兵庫県内初・電力小売りの電源に

20211027箸荷バイオガス発電所

【神戸経済ニュース】生活協同組合で組合員数国内3位のコープこうべ(神戸市東灘区)は、傘下のコープ環境サービスが牛のふん尿のみを原料としたバイオガスの発電施設「箸荷(はせがい)バイオガス発電所」(写真=コープこうべ提供)を多可町に開設したと発表した。18日には送電線に接続した。牛のふん尿から出るバイオガスのみを燃料とした発電所は兵庫県内で初めて。年間に一般家庭で約200世帯が消費する分の電力を供給。コープこうべの電力小売り事業である「コープでんき」の新たな電源になる。

 持続可能な地域の未来づくりをめざす「多可町サスティナブルプロジェクト」の一環という。同プロジェクトでは、乳用牛の飼育で県内最大規模である箸荷牧場で牛乳、電気、肥料の3つを作る。現在およそ500頭のホルスタイン牛を飼育中で、その糞尿をメタン発酵槽(写真中央の黒い円筒形のタンク)で醗酵させて取り出したメタンガス(写真の白い半球状のタンクに保管)が発電機の燃料になる。牛ふん尿をメタン醗酵させることで、臭気を従来の10分の1程度まで抑えられるため、臭気問題の解決にもつながるという。

 発酵後のふん尿から得られる副産物の消化液は、消化液貯留槽(写真右奥の黒い円筒形のタンク)に蓄積し、肥料として稲作農家が散布する。将来的には「液状たい肥タンク」を設置し、地元の農家などが自由に利用できるようにする考えだ。副産物を有効活用できるよう、醗酵させる素材を牛のふん尿だけに限った面もある。

 箸荷バイオガス発電所が加わることで、コープでんきの電源調達先のうち再生可能エネルルギーによる発電所は45カ所(太陽光発電39カ所、小水力発電1カ所、バイオマス発電5カ所)になる。コープでんきは約30%が固定価格買取制度(FIT)を通じて買い付けた再エネ発電の電気、残りの約7割が天然ガスを燃料とした発電による電気としている。

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