マネックスベンチャーズなど、低所得者向け転職相談「Compass」に出資

【神戸経済ニュース】マネックスグループ(8698)傘下のマネックスベンチャーズと、新生銀行(8308)系のインパクト投資ファンドである「はたらくFUND(ファンド)」は18日、通信アプリのLINEを使って低所得者向けの転職相談に応じるサービス開発のスタートアップ「Compass」(コンパス、神戸市中央区)に出資したと発表した。今回の出資額は合計2億円で両者の内訳や出資比率などは明らかにしていない。

 Compassは「日本からワーキングプアをなくす」という理念を掲げて2017年に設立。国家資格を持つキャリアコンサルタントが対応する相談サービス「CHOICE!」などを、主として自治体向けに提供する。十分なキャリア形成ができなかった氷河期世代や、急な雇い止めを受けた人の相談に応じ、人工知能(AI)やカウンセラーが仕事をマッチングする。2021年度の売上高は初めて1億円を超える見込み。

 今回の2億円調達によって、他社などからも含めたCompassの資金調達額は累計で3億3000万円になるという。記者会見した、はたらくFUNDの加藤有也ディレクターは「課題解決と事業成長が強くリンクしているところに魅力を感じて投資した」と話した。マネックスベンチャーズの和田誠一郎社長は、Compassには20年2月にも出資しており、今回2回目の出資と明らかにした。そのうえで「Compassの成長、飛躍に確信を持っている」と強調した。

 神戸市はスタートアップ支援事業の一環で、この日の記者会見を企画、開催した。Compassは「神戸グローバルスタートアップゲートウェイ」「500 KOBE ACCELERATOR」といった神戸市のスタートアップ育成プログラムに採択されたのが、事業を展開する契機になった経緯がある。神戸市も住民の所得向上に向けてCompassのサービスを採用し、課題解決とスタートアップ支援を同時に進める。

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