兵庫日銀短観、全産業DIは5期連続改善 製造業と非製造業に対照的な動き

20211002短観

 日銀神戸支店が1日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観、9月調査)の兵庫県分では、全産業の業況判断指数(DI)が前回調査から5ポイント改善のマイナス2だった。2020年9月調査以来5期連続で改善した。製造業は「化学」「鉄鋼」など、海外需要が主導して回復が続く素材業種にDIの改善が目立った。21年度の収益予想も一段の上方修正で、製造業は20年度に比べて倍増する見込みになった。

 調査期間は8月26日〜9月30日。兵庫県内の322社が対象で、回答率は99.7%だった。業況判断DIは景気が「よい」と答えた企業の割合(%)から、「悪い」と答えた企業の割合(%)を差し引いて算出する。

 素材のほか「生産用機械」「業務用機械」「電気機器」など外需主導で回復が続く業種はDIも改善。東南アジアでの新型コロナウイルスの感染拡大や、半導体不足の影響を受けて悪化した「自動車」を除くと製造業は総じて改善が目立った。一方、非製造業では「物品賃貸」などの改善は続いたが、「対個人サービス」「宿泊・飲食サービス」のDIは引き続き大幅なマイナスだった。

 こうした製造業と非製造業の対照的な動きは、「上昇」と答えた企業の割合(%)から、「下落」と答えた企業の割合(%)を差し引いて算出する価格判断DIにも表れた。販売価格判断DIの「最近」は製造業のプラス10と上昇が多いのに対し、非製造業はマイナス2と下落が多い。

20211002販売価格

 さらに「先行き」は製造業が9ポイント上昇に振れてプラス19になるのに対し、非製造業も上昇には振れるが変化幅は3ポイントにとどまる。仕入れ価格は高水準で推移するとの見通しが多い中、製造業は積極的に価格転嫁を進める一方で、非製造業は価格転嫁が進みにくいとの見方が根強い。

 記者会見した山崎真人支店長は主に非製造業について、新型コロナの緊急事態宣言が9月30日に解除されたことで「営業面の制約が緩和または解消されるなら、対面型サービスのほか輸送や販売など関連業種も含めて業況の改善につながるのではないか」と指摘。「これが本当に順調に進むのか、注意深くみていきたい」と話していた。

 2021年度の収益計画は、全産業で売上高は20年度の実績に比べ7.7%増、経常利益は74.9%増を見込む。6月調査時点の5.2%増、62.6%増から上方修正した。製造業の経常利益は114.2と20年度の2倍超を見込む。製造業がけん引して企業の収益は回復基調にある。

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