神戸市長選、久元喜造氏が政策発表 「コロナ乗り越えるの使命」LRT本格検討
- 2021/09/30
- 18:04
10月24日に投開票する神戸市長選で3期目をめざす現職の久元喜造市長(写真)は30日、選挙戦に向けて政策を発表した。記者会見した久元氏は「コロナを乗り越え未来に向かって進んでいく。このことが3期目に臨むわたくしに課せられた使命」と述べ、足元の新型コロナウイルス対策と同時に、中長期的なビジョンを強調した。神戸経済の活性化に向けては、神戸医療産業都市の推進やスタートアップ支援の強化などに引き続き力を入れる。久元氏は無所属で立候補し、自民、公明、立民、国民の推薦を受ける。
新型コロナ対策としては中央市民病院(神戸市中央区)での重症・中等症患者の治療を進めるのと同時に、健康科学研究所での変異株の遺伝子解析を積極的に進めるほか、保健所を強化して感染拡大を防止する体制に力を入れる。同時に、新型コロナの影響を受けた事業者に対する複数の支援策や、生活が困窮した場合の対応など、現在の施策を着実に進めていく方針を示した。
神戸市の産業政策の特徴である医療産業都市とスタートアップ支援については、「ヘルスケアは今後さらに重要な価値を持つようになる」との認識を示した。医療産業に関するスタートアップの集積も進むなかで、「立地する企業がさらにシナジー(相乗効果)を発揮できるようにしたい」と話した。ほぼ設計を終えた三宮再開発と、新港地区の再開発は今後、一体的に進める。さらに三宮駅〜神戸駅の両駅を結ぶLRT(次世代型路面電車)の敷設を本格的に検討したい考えだ。
久元氏は、神戸経済を考えるうえで「コロナ禍の教訓の1つは、インバウンド(訪日客)に特化した地域に傷あとが大きかったということ」と指摘。他都市に比べて少ない訪日客の誘致強化は必要性を認めながらも、「これからも違うタイプの危機が日本を襲うことを考えれば、できるだけバランスの取れた、全天候型の産業構造を作っていくことが重要な視点だ」と述べた。
作成した「政策集」には250項目の政策を掲げた。これを「コロナとのたたかいに打ち克(か)つ」「健康と安全を守る」「温(ぬく)もりのある地域社会を創る」「のびやかなくらしと環境を創る」「力強い神戸経済を創る」「未来に輝く神戸の街を創る」「DXの活用による市民参加を進める」と7分野にまとめている。
現在、神戸市長選に立候補を表明しているのは久元氏に加え、共産が推薦する岡崎史典氏、元加西市長の中川暢三氏、空手道場代表の酒谷敏生氏、弁護士の鴇田香織氏の新人4人で、合計5人だ。
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