しばらくの別れ、惜しむ人の列は途切れず 神戸ポートタワー改修前の最終営業日

ポートタワー行列

 約2年の大規模改修工事のために改修前の最終営業日を迎えた26日の神戸ポートタワーでは、ポートタワーに登る人の列が朝から途切れなかった。午前9時の営業開始前から入館を待つ人の列は、でき始めた。午後に入ると、館内に滞留する人の数が増えたため、密集防止を目的に入館制限を実施。午後2時ごろには列が長く伸びたこともあり、入場整理券を配布するほどになった。混雑が落ち着いた日没後も、最終入場時刻の午後7時半近くまでポートタワーに登る人の列は続いた(写真)。通常はほとんど待たずに入館できるポートタワーでは異例だ。

 神戸ポートタワーの西川貞浩館長によると、この日の入館者数は午後7時までに1500人を超えた。新型コロナウイルスの緊急事態宣言もあって、最近の日曜日に入館者数が1000人を超えることはなかったが、しばらくの別れを惜しむ多くの人がポートタワーをめざしたことで、入館者数が膨らんだようだ。西川館長は「普段はカップルや1人でタワーを訪れる人が多いが、最終日とあって家族づれが多く、子供の姿も目立っていた」と話していた。

 新型コロナウイルスの緊急事態宣言を受けて入館制限する必要があったのも、入館待ちの列ができるのに影響したようだ。通常はポートタワーの館内に滞在できる定員を600人としているが、定員の50%である300人でも入館者らの間で十分な距離が確保しにくいと判断。滞在中の入館者が200人になるのをめどに整理券の配布を始めたという。緊急事態宣言をを受けて、この日に予定していた、午後9時のライトアップ消灯後に残った入館者らが展望階から、スマートフォンなどの光を窓の外に向ける「人力ライトアップ」のイベントも中止になっていた。

 神戸ポートタワーは1963年に完成。2010年以来2度目の大規模改修工事で、今回は耐震性能の強化など長寿命化に加え、高さ108メートルの屋上に展望台を新設する工事などを予定する。工事には2年程度かかると見込み、再開業は神戸ポートタワーが開業60周年を迎える2023年度の予定だ。ポートタワーの所有者である神戸市は、営業終了後もポートタワーのライトアップを続けられる限り続ける計画。少なくとも年内はライトアップを継続する予定としている。

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