「どうか間違い恐れないで」 米スタンフォード大の高校生講座で開講式・神戸市

20210919スタンフォード開講式

 1977年に初めて訪れた日本で、存命だった祖父の弟に連れられたのは安芸の宮島。買ってくれたせんべいは、まずかった。でもそれは「鹿せんべい」だった--。米スタンフォード大(カリフォルニア州)のゲイリー・ムカイ国際異文化教育研究プログラム(SPICE)代表は18日午前、日米をテレビ会議システムで接続して開いた「Stanford e-Kobe Program」(スタンフォード・イー神戸プログラム)の開講式で昔の失敗談を披露した。日本語が分からなかったための失敗で笑いを誘いながらも、ムカイ氏は「この講座では、どうか間違うことを恐れないで」と受講する生徒たちを励ました。(写真は開講式の様子、スクリーン中央にムカイ氏)

 神戸市と同市の教育委員会は今回、高校生を対象とした米スタンフォード大(カリフォルニア州)によるオンライン講座を開設した。希望者の中から選抜し、神戸市立の高校5校と神戸大学付属中等教育学校(神戸市東灘区)の生徒29人が受講。「多文化共生」「格差問題」「起業家精神」「多様性」の4つのテーマについて座学やディスカッション、さらに生徒によるプレゼンテーションと、年度内の土曜午前に実施する合計10回の授業をネットを通じて実施する。世界的にも屈指の名門校で「シリコンバレー」の中心にあり、起業家精神に富むとされるスタンフォード大の気風で生徒を刺激して、学習意欲を高めることなどがねらいだ。

 続けてムカイ氏は「好奇心を持つこと」「何が大事か考えること」「日々のできごとに対する多面的な視点」「差異から意味を見出すこと」の4点を強調し、積極的な参加こそが今回の講座を楽しむことにつながると説明した。さらに「英語は全部理解できなくても大丈夫。これは学習の過程なのです」と語り、生徒らに意欲的な参加を促した。講座はすべて英語で進める。この日の開講式もすべて英語で、受講する生徒全員が流暢に自己紹介した。

 開講式の会場になった神戸市立葺合高校(神戸市灘区)には、各校から23人の生徒が集まった。このほか5人の生徒がネット経由で開講式に参加。葺合高の英語科主任である仲村智子教諭は「多様性や平等といった生徒の関心が大きい分野で、フレッシュな視点を与えてくれると期待している」と話す。母親が米国出身で、家庭でも英語を使うという同校2年の森田カレン洋輝さんは「高校生になったら留学したいと思っていたのに、入学以来ずっと新型コロナウイルスの影響で海外に出られないので、今回のプログラムは本当に楽しみ」と話していた。

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