川重など日豪6社「グリーン水素」供給網で事業化調査 31年に商用化想定
- 2021/09/16
- 02:20
川崎重工業(7012)、岩谷産業(8088)、関西電力(9503)、丸紅(8002)の国内4社と、オーストラリアの電力会社スタンウェル、ガス大手APA傘下のAPTマネジメントサービスの豪2社は15日、再生可能エネルギーから製造する「グリーン水素」サプライチェーン(供給網)構築の事業化に向けて共同で調査を始めることに合意したと発表した。同日、日豪6社で覚書を結んだ。
2026年に商用化を前提にした大規模実証として1日に100トン以上の水素を生産、31年には商用化して同800トン以上生産することを想定。必要になる電力はそれぞれ1ギガ(ギガは10億)ワット、7ギガワットを見込み、これを太陽光や風力といった再生可能エネルギーで調達する。製造拠点はスタンウェル社が豪クイーンズランド州のアルドガ地区に確保している土地(図は利用イメージ=川重提供)などを活用する。
19年から岩谷産とスタンウェルで大規模なグリーン液化水素の製造と、日本への輸出を検討してきた。この結果を受けて事業化を本格的に検討しようと、関連するノウハウなどを持つ4社に呼びかけて、事業化調査に乗り出す。日本側の取りまとめは岩谷産、豪側はスタンウェルが担当。川重は水素液化・積荷基地、液化水素運搬船に関する技術やコスト面での検討を担当することになった。
オーストラリアから日本への水素輸出を巡っては、川重と岩谷産がENEOSホールディングス(5020)傘下のENEOSや電源開発(Jパワー、9513)などと組んで実施する、水素供給網の実証実験がある。これは未利用資源の褐炭(かったん)から水素を製造してコスト抑制をねらうが、化石燃料が関与しない「グリーン水素」の分野でも海外での大量生産による価格抑制をめざす動きが本格化する。
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