神戸港と日本海側を結ぶ国際フィーダー航路、今秋開設へ トライアル事業で
- 2021/09/11
- 03:44
神戸港・大阪港のコンテナふ頭を管理する阪神国際港湾(神戸市中央区)と神戸市は10日、今年度から実施する「国際フィーダー航路拡充トライアル事業」の委託事業者が、内航コンテナ大手の井本商運(神戸市中央区)に決まったと発表した。輸出貨物の移送を目的として、敦賀港(福井県敦賀市)以西の日本海側の港湾と、神戸港を結ぶ内航コンテナ船の航路「国際フィーダー航路」を今秋にも開設する。日本海側の荷主が神戸港を使いやすくする。(写真は神戸港・ポートアイランドのコンテナターミナル=資料)
北米向けや欧州向けの基幹航路(長距離航路)を運航する大型コンテナ船に貨物を積み込むためには、基幹航路の大型コンテナ船が寄港する主要な港湾に、貨物をいったん集める必要がある。現在は韓国・釜山港など海外の主要港で基幹航路の大型船に積み替えているコンテナを、新たな内航航路の開設によって神戸港で積み替えるよう仕向ける。神戸港の利便性を高めることで、取り扱い貨物の増加をめざす「集貨」事業の一環だ。
日本海側の港湾を使う荷主にとっては、基幹航路の船に積み替えるまでの航路が国内航路になることで、貨物の安全保障を強化する意義がある。このほか日本海側から神戸港までトラック輸送している貨物を海上輸送に切り替えれば、二酸化炭素(CO2)排出削減につながるうえ、トラック運転手不足の対策にもなる。こうしたメリットを強調することで、日本海側から神戸港までの内港コンテナ船の利用を促す。
神戸港を利用すれば、足元では北米向けの貨物などで混雑している韓国や中国の港湾を回避するルートにもなる。現在は、新たな航路で寄港する港湾や、「トライアル事業」として新たな航路を利用する荷主らと調整を進めている。阪神国際港湾など関係者は、10〜11月には新航路の運用を始めたい考えだ。中長期的には神戸港の集貨に寄与する国際フィーダー航路としての定着をめざす。
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