神戸医療産業都市、細胞受託製造で新施設 細胞・遺伝子治療の事業化支援

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 神戸医療産業都市を運営する神戸市の外郭団体「神戸医療産業都市推進機構」(神戸市中央区)は30日、細胞の受託製造する施設「(仮称)神戸細胞製造イノベーションセンター」を新たに整備すると発表した。ポートライナーの計算科学センター駅前にある実験室ビル、神戸医療イノベーションセンター(KCMI、写真=神戸医療産業都市推進機構提供)の5階ですでに着手。2022年2月ごろに完成させ、22年度早々にも稼働させる計画だ。

 製薬会社などの企業が、細胞医療や遺伝子治療の臨床試験(治験)のときや商用初期に、まとまった数量の細胞を必要とする際などに、細胞の製造を請け負う。細胞医療や遺伝子治療の市場拡大に伴い、細胞の製造受託についての問い合わせが増えていたという。推進機構が医療用で使用する細胞の安全性確認や規格化などに取り組んでいるという経緯もあり、自ら細胞製造を手がけて各社の事業推進を支援することにした。

 研究開発目的で使用する細胞は、研究者らが自ら製造するケースも多いが、医療用として患者に投与する場合などは薬事法に基づく「医薬品の製造管理および品質管理の基準」(GMP)といった規則に基づいて製造する必要がある。このため治験や商用化する際に使用する細胞の製造は、受託できる機関が限られるという事情もある。

 神戸医療産業都市推進機構では、スイスの医薬品大手ノバルティスが開発した白血病治療薬で、最先端の遺伝子細胞治療を駆使する「キムリア」の商用製造をアジアで初めて受託。20年11月から製造を開始した。そうした実績も強調しながら、新たな施設整備を神戸医療産業都市での事業化促進に加え、新たな製薬会社の研究拠点や創薬ベンチャーなどの誘致にもつなげたい考えだ。

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