異物混入で使用見合わせのモデルナワクチン 神戸市の集団接種会場で一部使用
- 2021/08/26
- 16:00
米モデルナが製造した新型コロナウイルスのワクチンの一部に異物が混入していた問題で、神戸市は同市が開設している集団接種会場で、厚生労働省が使用見合わせを決めたロット番号のワクチンを接種していたと発表した。26日午前8時半ごろ神戸市は、国内流通を担当する武田薬品工業(4502)の担当者から、神戸市にも該当するロット番号のワクチン約2万7000回分を納入したと連絡を受けたという。神戸市が確認したところ、該当するワクチンの約1万9000回分が接種済みだった。
同じロット番号のワクチンすべてに異物混入があるわけではなく、武田によると同じロット番号のワクチンを接種したことで健康に害があったとの報告もないという。神戸市はモデルナのワクチンを使用している集団・大規模接種会場で、使用見合わせを決めたロット番号とは別のワクチンで接種を継続。26日の接種も予定通り実施した。モデルナ製ワクチンの供給は順調で、今後も計画通り接種を進める方針という。
神戸市の久元喜造市長は記者会見で「安全性に問題はないと製薬会社は言っているが、厚生労働省からも明確に説明するよう申し入れた」と話した。異物混入があったワクチンのロット番号は「3004734」で、接種券に貼られたロット番号シールで確認できる(図=神戸市提供=の右上部)。神戸市は専用のコールセンターを開設して、ワクチン接種した人向けに詳しく説明する方針。久元市長はコールセンターについて「来週早々にも開設する」と説明した。
この日の記者会見で久元氏は、妊娠中の女性とパートナーに優先的に新型コロナのワクチンを接種すると発表。28日から各集団接種会場に専用の接種枠を1日あたり合計128枠を設ける。ただ接種会場内での移動距離が長い大規模接種会場のノエビアスタジアム神戸(神戸市兵庫区)は専用の接種枠を設けない。
加えて重症化リスクを大幅に抑えるとされる「抗体カクテル療法」について、中央市民病院に「抗体カクテル療法センター」を設けて取り組むことも発表。27日から開始する。当初は宿泊療養施設で中央市民病院の担当医師らが手がける計画だったが、早期実現に向けて調整した結果、中央市民病院に抗体カクテル療法センターを設置することを決めた。1日あたり10人程度の投与を予定する。
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