シティー・ループ運行会社を来春解散 神戸市「外郭団体見直し方針」発表

20210819外郭団体方針

 神戸市は2022年4月をめどに、神戸市街を巡回する観光客向けバス「シティー・ループ」の運行などを手がける外郭団体「神戸交通振興」(神戸市長田区)を解散すると発表した。19日に公表した「外郭団体の抜本的な見直し方針」に盛り込んだ。神戸交通振興は神戸市が全額出資する株式会社。同社が手がける地下鉄駅ビルの管理は、同じく外郭団体の「OMこうべ」に一元化する。自主路線バスの運行は、別の民間会社などに実施させる。

 神戸市の久元喜造市長は、6月の市議会で外郭団体について役割などを全面的に見直す方針を表明。現在31団体ある外郭団体を、人口減少時代に合った形や中身になるよう統廃合する方針を示していた。8月10日にはリーダーの今西正男副市長と各局長で構成する「外郭団体マネジメント推進本部」を設置。同本部は神戸市にとって必要な機能や役割を改めて見直したうえで、今回の「見直し方針」をまとめた。

 見直し方針では神戸交通振興の解散のほか、6月議会でも示していた「神戸すまいまちづくり公社」と「OMこうべ」を再編する方針などを盛り込んでいる。一方でOMこうべが出資する一般財団法人として、不動産情報の収集や資産の転用や活用を支援して戦略的なまちづくりをめざす「神戸シティ・プロパティ・リサーチ」を今秋にも新設する計画も明記した。

 ピーク時の1995年には64団体あった外郭団体は、すでに半減。久元市長は市議会で、神戸市の施策を円滑に進めるには「これからも外郭団体は必要」とも述べており、今後団体数は大きく減らない見通しだ。ただ外郭団体がより高効率で稼働し、各団体の経営能力も向上するよう「外郭団体マネジメント推進本部」を中心に事業内容や運営体制、ガバナンスなどについて引き続き見直しを進める。

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