アシックス、今期最終黒字25億円に 上期高収益も新型コロナで「保守的」想定
- 2021/08/13
- 20:32

スポーツ用品大手のアシックス(7936)は13日、2021年12月期の連結最終損益が25億円の黒字(前期は161億円の赤字)になりそうだと発表した。従来予想は20億〜35億円と幅があったが、無観客で開催した東京五輪を通過したことで1本にしぼった。引き続き米国、欧州、中国でランニングシューズや、「オニツカタイガー」ブランドのシューズが好調に推移していることが収益をけん引。新型コロナウイルスの影響で新規開店できなかった店舗に関する「店舗休止等損失」の52億円などを1〜6月期の特別損失に計上したが、これを乗り越えて2期ぶりの黒字を確保する。
売上高は前期比20%増の3950億円、営業損益は145億円の黒字(前期は39億円の赤字)を見込む。売上高は従来予想である3850億〜3950億円の上限、営業利益は従来予想の115億〜135億円を上方修正した。もっとも東京五輪・パラリンピックの応援グッズは健闘しながらも、7〜12月期の売上高は1〜6月を下回る見通し。東南アジアで新型コロナウイルスの感染拡大を受けて生産規模がやや縮小している現状を踏まえた。テレビ会議システムを通じて記者会見した広田康人社長は、今後の動向が「なかなか見通せないため、保守的に売上高を見積もった」と説明した。
年間配当金は前期据え置きの24円(うち中間12円)にする計画は維持した。
同時に発表した21年1〜6月期の連結決算は、最終損益が123億円の黒字(前年同期は62億円の赤字)と2年ぶりの黒字。ランニングシューズを中心に国内外で販売が伸びた増収効果で収支が大幅に改善した。卸売りは全地域で回復し、前年同期比47%増の1466億円と回復が顕著だった。粗利益率の高いネット通販も好調で、売上高は前年同期比36%増の317億円と、1〜6月期としては初めて直営店を通じた販売(311億円)を上回った。
売上高は前年同期比43%増の2094億円、営業損益は239億円の黒字(前年同期は38億円の赤字)になった。1〜6月期の売上高が2000億円を超すのは17年以来4年ぶり。営業利益が200億円を上回るのは15年以来6年ぶりだ。
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