神戸製鋼、今期純利益72%増に上方修正 原料高も鋼材販売の数量増で
- 2021/08/05
- 20:33

神戸製鋼所(5406)は5日、2022年3月期の連結純利益が前期比72%増の400億円になりそうだと発表した。従来予想の250億円から上方修正し、増益幅が拡大する。鉄鉱石や原料炭などの原材料高を販売価格に転嫁するまでの時間差は減益要因だが、鋼材需要の拡大を背景とした販売数量の増加で補う。原材料高やアルミ地金の価格上昇で、在庫評価益の改善や、機械系事業を中心としたコスト削減も寄与する。
売上高は19%増の2兆300億円、営業利益は2.6倍の800億円を見込む。従来予想は1兆8700億円、550億円だった。鋼材需要は自動車を中心に増加しており、自動車生産の逆風である半導体不足を織り込んでも、従来の想定を上回って推移するとみる。このため事業部門(セグメント)別では「鉄鋼アルミ」の利益が大幅に上振れる見通しになった。原料価格の上昇で「鉄鋼アルミ」「素形材」の在庫評価益も膨らむ。
「機械」「エンジニアリング」「建設機械」では想定通りに需要が回復しており、コスト削減の効果が出るとみる。「電力」では販売電力量の見通しは変わらず、燃料価格と販売価格がともに値上がりしたことで利益水準は従来予想通りを維持する。
10円の中間配当を実施する。これまで配当計画は示さず「未定」としていた。期末配当は未定とし、年間配当金が連結純利益のおよそ15〜25%になるよう改めて決める。
同時に発表した2022年4〜6月期の連結決算は、最終損益が189億円の黒字(前年同期は131億円の赤字)になった。原材料高を価格転嫁するまでの逆風を、販売数量増で補った。在庫評価益も改善。売上高は前年同期比24%増の4632億円、営業損益は248億円の黒字(前年同期は198億円の赤字)だった。
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