住友ゴム、岸壁の「防舷材」と南アのタイヤで品質不正 検査データ改ざんも

20200715住友ゴム本社

 住友ゴム工業(5110)は30日、岸壁に取り付けて接岸する船の破損を防ぐ「防舷材(ぼうげんざい)」と、南アフリカ工場で生産したタイヤの一部で品質管理に不正があったと発表した。防舷材は国際航路協会(PIANC)が定めたガイドライン通りに性能試験をしていなかったうえ、検査データの改ざんもあった。南アフリカ工場でのタイヤは顧客と取り決めた仕様と異なる製品を出荷していた。同社はいずれも安全性に問題はないことを確認したとしている。不正のあった製品は同社全体からみて一部にとどまり、業績への影響は現時点で軽微とみている。(写真は神戸市中央区の住友ゴム本社=資料)

 防舷材は住友ゴムの加古川工場(加古川市)で製造し、商社や建設会社を経由して岸壁を持つ自治体などに販売している。今年6月に全社製品の品質管理を総点検した際に、検査の不正が発覚した。2016年5月以降に出荷した500件(5389基)が該当。不正があった製品を設置した岸壁に、通常の接岸速度を想定して検証したところ、安全性に問題がある事例はなかったという。安全性の検証は引き続き外部機関でも続ける。これまでに防舷材の性能不足で、港湾や船舶が破損した事例はなかったとしている。

 南アフリカ工場のタイヤは、2017年8月から21年5月までに出荷した同国製の新車向けタイヤ約40万本(車両8万台分)の一部。タイヤの真円度や重量などの均一性(ユニフォミティ)と、タイヤをホイールに取り付ける際の接触部分(ビード部)の形状が、顧客との取り決めと異なっていた。安全性は、世界の業界標準になっている米国の法規に基づいた規格に適合していることから、問題ないとみている。

 住友ゴムは、南アのタイヤについては6月3日に、防舷材については6月16日に、それぞれ山本悟社長を委員長とする緊急対策委員会を設置した。南アのタイヤについては外部弁護士を加えた特別調査委員会を編成し、詳しい原因などを調べる社内調査を始めた。防舷材でも今後、同様の特別調査委による原因究明を進め、再発防止策を作成する方針だ。6月3日に1つ目の緊急対策委を設置してから7月30日の発表まで2カ月近くかかったが、同社によると「事実確認や安全性の確認などに時間がかかったため」(広報担当者)としている。

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