福田神戸税関長「不正薬物摘発で関係機関の連携強化」 コロナで「瀬取り」増加

20210713福田神戸税関長

 8日付で新たに就任した神戸税関の福田敏行税関長(写真)は12日に記者会見し、「最も力を入れたいと思っているのは安全・安心な社会の実現だ」と抱負を語った。特に麻薬や覚せい剤といった不正薬物については、日本全体で5年連続して1トン超の摘発があり、「きわめて深刻な状況」という。密輸の阻止や摘発に向けて情報収集に加え、海上保安庁、警察、厚労省の麻薬取締部といった「関係機関と連携を強化したい」と強調した。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、不正薬物を日本に持ち込む手口が、これまでの中心だった空路から、沖合いで船から船へと積み替える「瀬取り」や、商業貨物に忍ばせるなど、船舶を使った方法に変わりつつある。このため「特に神戸税関は、日本海、瀬戸内海、太平洋と長い海岸を持つだけに、密輸の阻止には力を入れたい」と話していた。

 神戸経済との関係では、環太平洋経済連携協定(TPP)や日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)といった「メガEPA(大規模な経済連携協定)の発展もあり、原産地がどこかによって関税が変わるなど税関職員でも戸惑うぐらいに関税制度は複雑化している」と指摘。「研修や説明会などを積極的に開催し、関税制度に理解を深めていただくことを通じて、経済発展に貢献できれば」と語った。

 加えて、新型コロナの感染が収束すれば、「再びクルーズ船の受け入れを通じて、神戸経済に貢献できるようになるのではないか」とも話す。

 福田 敏行氏(ふくだ・としゆき) 1986年(昭和61年)中央大経卒、大蔵省(現財務省)入省。2018年門司税関業務部長、19年関税局調査課長、20年門司税関長。神奈川県出身。59歳。

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