久元神戸市長、海岸線20周年「前向きの努力が求められる」 存続前提に語る

20210709久元神戸市長

 神戸市の久元喜造市長(写真)は8日の定例記者会見で、7日で開業20周年を迎えた神戸市営地下鉄海岸線について記者の質問に答え、「未来に向かってどう、うまく賢く使うのかという、前向きな努力が求められている」と、同路線の存続を前提として今後について語った。「作られた時の経緯は相当疑問」とも強調しながらも、西神・山手線の黒字もあり「地下鉄全体として持続可能とはいえる」と説明した。

 海岸線の計画時、開業から数年が経過すれば利用者数は1日あたり10万人を超すと想定した。だが神戸市は07年に、2020年の利用者数を1日あたり5万3000人と大幅に下方修正。「これは、いかに杜撰(ずさん)な需要予測、それを前提にした(いい加減な)収支見込みの元に海岸線が計画されたのかを如実に物語る」と指摘。だが、現実に地下鉄が存在する限りは「兵庫区と長田区の南部地域の発展に、有効活用することが求められる」と語った。

 久元氏は「そのための努力は続けてきた」という。イオン神戸南(神戸市兵庫区)を誘致するなど、需要喚起を積積極化している。01年に1日3万4000人だった利用者数は、足元で5万1000人まで増加。年間の赤字額は開業時に78億円だったのが、2019年は32億円まで圧縮できた。「収支が悪化しているということはない。こういう努力を続けていく」と語り、引き続き海岸線単独でも黒字化をめざす方向性を示した。

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