兵庫日銀短観、全産業DIが4期連続改善 21年度の収益計画は上方修正

20210701日銀短観6月調査

 日銀神戸支店が1日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観、6月調査)の兵庫県分では、全産業の業況判断指数(DI)が前回調査から3ポイント改善のマイナス7だった。2020年9月調査以来4期連続で改善した。製造業は「ゴム製品」「非鉄金属」「鉄鋼」など、国内外で需要が回復している自動車向けに部材を製造している業種で改善が目立った。

 調査期間は5月27日〜6月30日。兵庫県内の325社が対象で、回答率は100%だった。業況判断DIは景気が「よい」と答えた企業の割合(%)から、「悪い」と答えた企業の割合(%)を差し引いて算出する。

 製造業では世界的な半導体不足の影響も表れた。自動車向けの部材が軒並み改善した一方で、輸送用機器のうち「自動車」は22ポイント悪化の11になった。半面、半導体製造装置などが含まれる「生産用機械」は11ポイント改善の0になった。

 一方で、非製造業には業種間にばらつきが残った。「物品賃貸」「卸売り」「小売り」などを中心に改善したが、「対個人サービス」「宿泊・飲食サービス」は大幅なマイナスで横ばいだった。

 業況判断DIの数カ月後を予想する「先行き」ついては全産業、製造業、非製造業のいずれでみても小幅に悪化する見通し。半導体不足がリスク要因と受け止められているほか、新型コロナウイルスの感染再拡大に対する警戒感も根強いようだ。

 もっとも2021年度の収益計画によると、全産業で売上高は20年度の実績に比べ5.2%増、経常利益は62.6%増を見込む。3月調査時点の3.2%増、43.4%増から上方修正した。設備投資もソフトウエア投資を中心に高い水準を維持。企業は事業拡大に向けた投資に積極的といえる。

 記者会見した山崎真人支店長は「新型コロナの影響で停滞した経済が回復しているのが改めて確認できる内容だった」と指摘。全産業が好調とはいえないが「特に製造業はしっかりしているのが確認でき、経済の中核になる生産に対しては従来に比べてプラスの見方ができる」と話していた。


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