スーパーの買い物かご・カート、拭かずにウイルス不活化 イオンと神戸大

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 イオン(8267)傘下でスーパーを展開するイオンリテールと神戸大の長広剛・超スマート社会推進室特命教授は3日、「短時間の紫外線照射とオゾン吹き付けで、店舗に備え付けた買い物かご・カートに付着した新型コロナウイルスは不活化できる」との実証実験の結果を発表した。現在は多くのスーパーでウイルスの除去を目的に、店員がカゴをアルコールで拭き取る作業をしているが、そうした手間が不要になる。イオンリテールと長広特命教授は今後、装置の量産化が可能か検討する。

 紫外線やオゾンに殺菌・ウイルス不活化の効果があるのは一般に知られているが、スーパーの入り口付近といった開放空間で応用したのは世界でも初めてとみられる。昨年春に新型コロナウイルスの感染が拡大したころ、空調の専門家である長広氏とイオンリテールは、超省エネの空調システムについて検討を進めていた。そこで空気の流れを使って何か対策ができないかと考えたのが開発のきっかけだ。4月に長広氏や研究室のメンバーらで手作りした実験機を、イオン神戸北店(神戸市北区)に設置して実証実験を始めていた。

 店頭では実際に新型コロナウイルスを使った実験ができないため、店舗の常在菌がどの程度検出できるか調査した。常在菌が除菌できれば、ウイルスも不活化できることは確認できていたためだ。この結果、かご用の装置に5秒間かごを収納するか、オゾンを含む風が当たる場所に30秒間カートを収納すれば、無菌状態にできることがわかった。ある程度の湿度を保てばオゾンが拡散しやすくなるため、かごやカートは重ねていても効果があることも判明。長広氏は「かごやカートを取りに来た人の表面に付いたウイルスも不活化している」と話していた。

 紫外線の強さやオゾン濃度はウイルスを不活化できるが、人体には害がない水準に調整した。量産化に向けた課題は、やはりコストになるようだ。アルコールで拭き取る作業の人件費よりも抑えられるのかどうか。それに量産化するとなると、すべてを手作りするわけにもいかず、量産しやすい仕様などを考える必要がある。今後はコスト抑制や量産技術などのノウハウを持つ機械メーカーなども交えて、開発や検討を進めることになりそうだ。(写真はイオン神戸北店で説明する長広特命教授と実験機)

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